ルノーのディレクター・オブ・エンジニアリング、パット・シモンズは、F1新シーズンにおいて、自分のチームも他のチームも、実力の判断を下すのはまだ早すぎるとよく承知している。彼は、オーストラリアGPは残りのシーズンの予想をするには向かない場所だと語った。
ルノーチームにとってオーストラリアGPは悲喜こもごもの週末となった。フェルナンド・アロンソは、サバイバルレースを乗り切って4位に入ったが、同僚でルーキーのネルソン・ピケは、31周目でリタイアした。
シモンズは、自チームとライバルたちとの比較を開始するにあたって、このレースからは適切な基準は得られないと主張している。フェラーリは2台とも完走することができず、マクラーレンのヘイキ・コバライネンは、セーフティカーに作戦を邪魔されて、アロンソに先行を許した。
「初戦を終えて、物事の状況を見るのはいつも楽しいものだが、メルボルンでの開幕戦の後は、私たちはまだ自問自答を続けていることが多い。今年もそういう状況だと思う」とシモンズは語った。
「フェラーリのように、実力をフルに発揮できなかったチームもいた。私たちもややフラストレーションの溜まる週末だったが、結局はいい結果を得られた」
「運には浮き沈みがあるものだ。フェルナンドはセーフティカーに関してはかなり不運だったが、レース終盤にかけては、明らかに多少運がよかった。4位というのは、チーム全体がかなり満足できる結果だと思うが、次の週末に、マレーシアというもっとクラシックなタイプのサーキットに行くのが楽しみだ」
「現段階では(力関係を判断することは)無理だと思う。クリーンなレースができていないからね。何度もセーフティカーに邪魔されたレースだったし、普通ではないトラブルに見舞われた人間が大勢いた。ひとつだけのサンプルに基づいて予測をするのは好きではないし、それはすべきではないと思う。通常は3戦ほどして、自分のいる位置がだんだん見えてくるものだ。マレーシアの後になれば、もっとたくさんのことが分かるだろうし、バーレーンを終えたら、もっとはっきりした図式が見えるようになるだろう」
シモンズは特に、新人のピケが今週末のマレーシアでは幸運に恵まれることを期待している。メルボルンでは、ピケは初日にかなりの走行時間を失ってしまい、その結果として、その後ずっと苦しむことになったからだ。
「メルボルンはドライバーにとってとても難しいコースであり、非常に厳しいレースだから、キャリアをスタートするにはあまり向いていない場所だ。去年ヘイキもそうだったようにね」と彼は振り返った。
「ネルソンは困難な仕事に直面してしまったし、チームが彼を失望させたことを申し訳なく思う。金曜と土曜には最大限の走行距離を与えてあげたかったのに、それができず、レースではマシンが壊れてしまった」
「私たちはみな、そのことを残念に思っているが、後ろは振り返らず、前を見て、マレーシアに向かう。マレーシアは、去年ネルソンがテストで1日走ったことのある場所だ。彼はコースを知っているし、またスタートして、態勢を立て直し、どうなるかを見てみればいいんだ」