マクラーレンCEOのマーティン・ウィットマーシュは、ルイス・ハミルトンが開幕戦オーストラリアGPに臨む前に、このレースに勝つために必要なものはすべて自分には揃っていると、チームに対して語っていたことを明かした。さらにウィットマーシュは、今回のフェラーリは予想よりよくなかったものの、決してみくびってはならないとも語っている。
ライバルのフェラーリがわずか1ポイントしか獲得できなかったことで、マクラーレンの勝利はより一層喜ばしいものになった。このレースの直後、ウィットマーシュは、レースの大半で2位を走っていたヘイキ・コバライネンがそのポジションでフィニッシュできればもっとよかったが、それでも2008年シーズンを素晴らしい形でスタートできたと語った。
「(ルイスは)何週間か前に、私たちが準備したマシンでオーストラリアは勝てると話していた。ふたを開けてみると、彼が言ったことはまったく正しかった」とウィットマーシュは語っている。
「彼はMP4-23にとても満足している。1月初めにマシンを発表した時から、マシンの基本性能がとてもいいのは分かっていた。それを、冬季テストを通して、徐々に改善していったのだ」
「最初のラップでパフォーマンスを発揮する能力は維持したかったが、以前よりもタイヤをいい状態に保つ方法を見つける必要があることも承知していた。その点において私たちは大きく前進した。しかしまださらに前進できると私は思っている。プラクティスの時のロングランのパフォーマンスを見ると、ルイスもヘイキもとても印象的な走りを見せていた。ここではフェラーリに勝てると、ずっと思っていたが、実際走ってみると、彼らのパフォーマンスは予想していたほどよくなかった」
“予想よりもよくない”というのは、フェラーリの週末を総括するもっともいい言葉だ。フェリペ・マッサもキミ・ライコネンもエンジントラブルに泣き、ライコネンは、ルーベンス・バリチェロが失格処分になったことで1ポイントを手に入れるにとどまった。
しかし、ウィットマーシュは、マクラーレンは開幕戦で、ポイントリードを最大限に広げられる絶好のチャンスを逃したことを承知している。
「最高だったが、1-2フィニッシュを成し遂げられたはずだという気持ちは、もちろん大きい」と彼は認める。
「ルイスは週末を通して、本当に素晴らしい仕事をしてくれた。ミスもなかった。そのことは、ある程度まで期待していた。彼は成長したし、グランプリレーシングで過ごした1年の間に大きく向上した。彼は今年、やるべきことをきっちりやろうと決意している」
「しかし、ヘイキとチームの週末も、素晴らしいものだった。彼にはかなりのプレッシャーがある。ボーダフォン・マクラーレン・メルセデスのドライバーたちは、レースに勝つことが期待されているからね。そのプレッシャーは、彼が以前に味わったことのあるものとはまったく異なるものだ。でも、彼は申し分なく戦ってくれた。残念ながら、彼は最後のセーフティーカー導入時に、2位の座を失ってしまった」
「メルボルンでのフェラーリのパフォーマンスは予想よりもよくなかったと思う。だが、彼らをライバルから外して考えるべきではない。彼らは底知れぬ力を持っている。私たちはこのことについて幻想を抱いてはいない。去年のメルボルンでは、私たちは完敗だったが、態勢を立て直して次のマレーシアを制した。2008年は、逆のことが起こらないことを証明する必要がある。セパンでも我々は強いと思う」