ニコ・ロズベルグは、今回のオーストラリアGPでF1初の表彰台を獲得し、大喜びしている。彼にとっては、GP2タイトルを獲得した2005年シーズン以来の表彰台となった。
ウイリアムズのロズベルグは、大荒れのレースでも冷静さを保った。1回目のピットストップでは、ニック・ハイドフェルドとピットレーンで接触しそうになり、フェルナンド・アロンソの先行も許したが、しっかりとレースに留まった。
ロズベルグは落ち着いて走り続け、キミ・ライコネンの一連のミスもあり、最後のセーフティカー導入中にヘイキ・コバライネンが不運に見舞われたこともあって、3位を獲得した。これにより、チームは2008年シーズンの挑戦を夢のような形でスタートできた。
「本当に本当に嬉しいよ」と22歳のロズベルグは興奮して語った。「そして、F1の表彰台に乗るのは、本当に素晴らしい気持ちだ。F1に来てからずいぶんかかったね。そして、チーム全体にとっても素晴らしいことだ。彼らは冬の間中頑張って働いてきたんだから。彼らはいい仕事をしたし、かなり前進したよ」
「今日は自分の全力を出し切ったけれど、暑いなか、ストリートコースでの厳しいレースで、大変だった。この素晴らしい結果を出せたことをチームに感謝したい。このおかげで、ウイリアムズと一緒に成長していけると感じられるよ」
「父(1982年F1チャンピオンのケケ)にも感謝したい。僕がここまで来るのを助けるために、してくれたことすべてについてね。僕らにはしっかりしたレースカーがあるし、いい開発も予定されているが、まだ初期段階なので興奮しすぎないようにしたいね」
ウィリアムズチームには、さらなる喜びがあった。ロズベルグの同僚、中嶋一貴が結局6位に入ったのだ。ルーベンス・バリチェロが、レース終盤にピットレーンで犯した違反行為から失格となったため、中嶋の順位が繰り上がった。ただし中嶋は、マレーシアでやはりペナルティが課されることになっている。3回目(最後)のセーフティカー導入中に、フロントウイングを失った接触事故が問題となり、10グリッド降格が決まった。
「最後まで走れたのは素晴らしかった」と23歳の中嶋は語った。「完走できて嬉しいし、ポイントを獲れたのも嬉しい。今日は肉体的に本当にキツかったけれど、それに加えて、あまりにもたくさんのことが起こった」
「スタートでは、僕の前のクルマがスピンして、横向きになり、僕のノーズにダメージを負わせた。それから何度もセーフティカーがあったが、チームはうまくやって僕の作戦を1ストップに変えてくれた。おかげでポイント圏内に入れたんだ」
「レース終盤に、僕はまたアクシデントに遭ってしまった。すべてのマシンが互いに接近していたときで、またノーズを損傷してしまった。でも、自分の体力とコンスタントさを示せたのはよかったし、もっとよく知っているコースのセパンが楽しみだよ」
実際、ロズベルグと中嶋がダブル入賞したおかげで、ウイリアムズはコンストラクターズ2位の状態で、1週間後のマレーシアに臨むことになる。首位のマクラーレン・メルセデスとは5ポイント差、3位のBMWザウバーには1ポイント先行している。しかし、チームはそのポジションを守ることを目指すどころか、さらに上を目指している。
「シーズンを素晴らしい形でスタートできた」とテクニカルディレクターのサム・マイケルが結論づけた。
「マシンにポテンシャルがあることはわかっていた。プラクティスでは信頼性のトラブルがあったため、それに気づかなかったのだ。しかしレースでは、それをすべて発揮できた」
「ニコは、数々の困難な状況をうまく切り抜けた。彼はレースの間中、いいペースで走り続けた。彼の初表彰台におめでとうを言いたい」
「一貴もうまくやった。2回の事故に巻き込まれたがね。マシンは2台とも、レースの間ずっと、しっかり信頼性を発揮したし、初戦で大量のポイントを獲れたのは素晴らしいことだ。一夜明けたらマレーシアのことを考えるが、予選をもっとよくして、選手権2位からさらに前進していきたいね」