ホンダ・レーシングF1チームの中本修平シニア・テクニカル・ディレクターが、新車の開発状況を語る中で、2008年の新車ラウンチを1月20日に予定していることを明らかにした。
Q:ロス・ブラウン加入について今の状況はどうですか?
A:「ロスは月曜日にチームに合流してくれます。正式発表のときにファクトリーに来てもらって、みんなに挨拶をしてもらいましたが、大きな拍手で温かく迎えられていましたね」
Q:中本STDを含めチーム内でのポジショニングはどういうかたちになるのですか?
A:「それはこれから細かいことを決めていく事になると思います。彼は技術畑で長くやってきた人ですし、一般的なチーム代表という立場は初めてなので。それに、ニック(フライ)も残りますので、まずその2人のポジションの関係性ということもありますから。でも、イメージ的には技術はロス、お金勘定はニックということになるでしょう」
「昨年私がSTD(シニア・テクニカル・ディレクター)に就任したときからテクニカル・ディレクターを探していて、なかなかいい人を見つけられませんでした。STDというチーム自体の活性化を担う役割として、ホンダに合った人材を探していたところで、一番いい人を得る事ができました」
Q:フェラーリなどからロスの部下が移ってくるような“チーム・ロス・ブラウン”構想はあるのでしょうか?
A:「彼はまだチーム・ロス・ブラウンという事は言ってないし、そういう考えも持っていないと思います。一応チームの設備なんかを案内したところ、スタッフも設備も彼の思っている以上に充分戦えるものが揃っていると感じてくれたようです。ただ、実際にチームに合流してもらって彼に判断してもらわないと分からないので、その中で補強するにあたって彼の人脈を使うことは、可能性はゼロではないと思います。ロスとはどの部分が弱くてどんな補強が必要かという私なりの意見を伝えていますが、ロスはまた違う見方をすることもあると思うし、今年最大の問題だった空力に関しても補強は今のところうまくいっていますが、私自身はまだまだ足りないと感じているので、それをロスにも感じてほしいと思っています」
Q:来年、バトンも言うように表彰台は難しいのでしょうか?
A:「単純に今年のようにフェラーリとマクラーレンが完走すれば表彰台は埋まってしまうので、そういう意味では難しいのかもしれません。だけど、5、6位でもどれだけトップ2チームに近づけるか、またBMWを落とせるか、後半3戦ではルノーの前にもいけたので来年は抜かれないように、というところは狙っていきたいですね。現時点では1.6秒のラップタイム差があるので、この1.6秒は詰めなければ話は進みません。それからトップチームはシーズンを通して過去の例でコンマ7秒くらい上げてくるのでそれを1秒と考えると、全部で2.5秒くらい詰めないとトップチームに肩を並べることはできません」
「フォーミュラ・カーに関しては80%が空力にかかっているので、開幕までに80%分の2秒アップを目標にやっています。ラウンチは1月20日ごろにリリースする予定なので今はラウンチ用のキットを用意しているところですが、このキットは4週間前倒しで取り掛かっているので、開幕までの約1ヶ月はアップデートに使えます。だから、それを考えるとラウンチの時にフェラーリなどに対して1秒くらいのギャップで走れればいいかなとは思っています」