今週末のF1最終戦ブラジルGPでは安全策を採ることが求められているルイス・ハミルトンだが、レーサーとしての心情を表し、インテルラゴスでの目標はすべてのドライバーに勝つことだと語った。
ハミルトンはブラジルGPで2位でフィニッシュすれば――フェルナンド・アロンソとキミ・ライコネンが勝てなければ5位でフィニッシュすれば――F1史上初めてルーキーにしてチャンピオンとなる。しかし、ハミルトンにとって重要なことは彼らより前でフィニッシュすることのようだ。
ブラジルGPでは、日本GPで優勝争いから離脱したフェリペ・マッサがタイトルの行方を占う上で鍵を握る人物となるであろうが、ハミルトンがアロンソとライコネンより前でフィニッシュするとなれば、マッサの影響が彼のタイトルを左右することはないだろう。
ハミルトンは英オブザーバー紙のインタビューに答えて次のように語った。
「正直言って、そのこと(フェリペの影響)については頭にない。ここ数レース、キミについてはタイトルの可能性があったが、フェリペはポイント数が離れていたので、それほど大きな驚異ではなかった」
「彼はブラジルGPで自分に課された仕事をこなすと思う。たぶん、チームに要請されれば、彼は僕の行く手をふさぐだろう。でも、キミがトップに立ち、フェリペが彼の後ろについて、僕に前に行かせないようにしても、大したことじゃない。(その場合も)僕は5位に入ればいいのだから、大きな問題ではないよ」
「重要なのは、僕が自分のマシンのペースにも自分の能力にも満足できる状態にあるということだ。彼らよりいい仕事ができるという自信は持っている。“ちくしょう、フェリペに注意しなきゃ”と思いながらレースをするつもりはない。僕はみんなに勝つためにブラジルでレースをするんだ」
もっとも、1週間前の上海での印象とは違い、ハミルトンはリスクを冒してまで優勝を目指すつもりはないと語った。ハミルトンは、中国GPでタイトル決定の可能性があったが、天候がウエットからドライへと変わる中、タイヤ交換が遅れてリヤタイヤが裂け、ピットロードでコースオフを喫してリタイアとなった。
「タイトルを取るにあたって申し分のない位置にいた。でも、結局のところレースに勝ちたいと思ったんだ。勝ちを目指して走っていたら、あのようなことが起こってしまった」
「最後のレースでも、ポールポジションを取って、スタートからトップに立って、レースに勝つことを目指すつもりでやっていく必要があると考えているが、最終的な結果に焦点を置くことを忘れてはならないと考えてもいる」