26日、ブリヂストンは都内で恒例のF1プレスミーティングを開催し、今週末の日本GPを戦うマクラーレンのルイス・ハミルトンとフェラーリのフェリペ・マッサ、そして母国・日本GPに燃える佐藤琢磨を招いて、富士への抱負を語った。
今季、唯一のF1公式タイヤサプライヤーとなったブリヂストン。GP2とあわせ“安全とフェア”をモットーに総力をあげてチャンピオンシップの足元を支え、4人のドライバーによる白熱のタイトル争いを演出、その信頼性を確かなものとしてきた。
会場では、F1解説者の今宮純氏とタレントの堂本光一さんが司会を務め、浜島裕英タイヤ開発総括責任者も加わって、鈴木亜久里スーパーアグリ代表と佐藤琢磨の2人、マッサ、ハミルトンの順で3部構成によってミーティングが執り行われた。
3者はそれぞれに今季の戦いを振り返りつつ、今週末の富士へ賭ける思いを披露。2度目の母国GPを迎えるスーパーアグリは、今季のベストレースとなったスペイン、カナダでつけた自信を胸に、琢磨が「どこであっても、日本GPに変わりはない。一年の集大成的ないいレースをファンの皆さんに見せたい」と力強く宣言。
亜久里もその思いに「琢磨がアクセルいっぱいのレースを見せてくれる」と太鼓判を押した。
一方、タイトル争いから一歩後退した感のあるフェリペ・マッサは、それでもこの富士へは強気の姿勢を崩してはいない。
「バッドラックな展開でいくつかのレースでポイントを失ったのは残念だった。でも今年は去年よりいいパフォーマンスを出せているし、富士は誰にとっても新しいサーキットで予測ができない。今はクルマもコンペティティブだし、レースではフロントロウに赤2台を並べて、優勝したい」とサラリ。
今季4勝目に自信の表情を浮かべて見せた。
しかし最後に登場したハミルトンには、報道陣のフラッシュが一際数を増し、マクラーレンの新人に寄せられる高い関心を改めて示すことに。
今宮氏の「このミーティングは初ですね」という言葉に「コンニチワ」と答え、会場の注目を一気に引き付けたハミルトン。
富士について「兄弟がPS2でよく走っていたらしく、ロングストレートがあっていいサーキットだと聞いている。誰もまだ走っていないサーキットでF1を戦えることを光栄に思う」と笑顔で語り、身振り手振りを交えて重要な一戦への思いを熱く披露。
最後も「アリガトウ」と覚えたての日本語サービスでミーティングを締めくくってくれた。
冒頭で挨拶に立ったブリヂストンの荒川詔四社長は「(ブリヂストンがサポートする)GP2からF1にステップアップした若いドライバーが活躍する姿を見るのは、大きな喜び」とハミルトンの名前を挙げて歓迎。
また、久々に日本GPの舞台となる富士スピードウェイについても「ブリヂストンがF1に初めて参戦(1976年富士スポット参戦)した思い出の地。31年を経て、今では全チームに供給する単独のF1タイヤサプライヤーになることができた」と、モータースポーツ活動に取り組んできた同社の足跡を感慨深く振り返り、笑顔で出席者との写真に収まった。