ビタントニオ・リウッツィは、来期のレースシートを追い求めると強く語った。だが、現在ドライバーの移籍に関する動きは止まっており、それが終わるまでは何も決まらないだろうとも認めている。
フェルナンド・アロンソは、自らの将来の場所が確保されているとはいえ、その契約は宙に浮いているかのように見える。もっともアロンソの選択が、リウッツィに直接影響を与えるわけではないが、それでもその世界チャンピオンが、マクラーレンに残るのか、他のチームに移るのか、あるいは、F1から1年間離れるのか、というその選択の結果によっては、リウッツィにとって間接的に選択肢を与えることになる。
先月、トロロッソが、チャンプカーのチャンピオン、セバスチャン・ブルデーとの複数年契約を発表したことにより、リウッツィがチームのシートを失うことが確定した。リウッツィのかつてのチームメイト、スコット・スピードは、ヨーロッパGPの後に同チームを解雇され、アメリカへ戻ってキャリアを継続するものと見られているが、リウッツィはスピードとは異なり、フォーミュラ・ワンに残ることを決意している。
「間違いなく僕は来年も(F1で)仕事をしているよ」リウッツィは、モンツァで行われた木曜日の記者会見の場でそう答えている。「F1に残るのが僕の目標なんだ。レースを始めてからずっとそれが目標だったんだからね。それにコンペティティブなチームで僕がどのくらいのことを出来るのか示したいと思っているんだ。今年は残念なことに問題が多すぎたからね」
「でも何も決まってないよ。今はドライバー市場が待機状態にあると思う。だからこれからどうなるのかは、あと2、3週間は待たなければならないだろうね。でもその実現のために今は懸命に働きかけているし、チャンスを手にすることができると思っているんだ」
かつては世界カートとF3000のチャンピオンにもなったリウッツィには、ウイリアムズをはじめ、さまざまなチームでテストドライバー、あるいはリザーブドライバーとなる可能性が噂されている。だが、リウッツィ自身は、2008年もレースを続ける決意だ。
「今は(レースで)ドライブすることだけを考えている。ここ2年、自分のパフォーマンスを発揮するチャンスはそう多くは与えられなかった。というのも僕らは常に困難な条件の下にあったからね」とリウッツィは繰り返す。「だから来年はフォーミュラ・ワンに残りたいし、それもできるならなるべく強いチームに行きたい。今はレースドライバーになれるよう懸命に働きかけているところだ。22人のうちの1人になれるようにね」