来季に向けたデザインとプロダクションへの取り組みを既に開始しているルノーは、残り6レースとなった2007年シーズンについて、コンストラクラーズ選手権でBMWを上回る3位を獲得するという目標に変わりはないと述べている。
テクニカルディレクターのボブ・ベルは、ここまでのシーズンが期待とはほど遠いものだとおおっぴらに認めている。しかし、トルコとイタリアに向けたR27のアップデートには自信を覗かせており、フェラーリとマクラーレンに追いつくことはできずとも、BMWとの差を縮めることはできるだろうと語る。
「今年は大きな失望の年だと私が言うのも、驚くことではない」
トルコGPを目前に控え、ボブはこのように語っている。
「ここまでの我々のパフォーマンスレベルは、シーズン開幕当初の期待をはるかに下回っている」
「そうは言っても、ポジティブな面もいくつかある。関係者全員にとって厳しい状況が続くなか、チームはそれにきちんと対応してきた。我々はまだ諦めてはいないし、2007年シーズンの残り6戦、また来年以降に向けて懸命に頑張っている」
「とはいえ、既にファクトリーでは2008年に目を向けている。しかし、トルコではわずかに空力をアップグレードする予定だし、モンツァはドラッグが非常に少ないセットアップが求められるため、新しいエアロパッケージを用意している。同時に、トラック上で最近の開発の成果を引き出せるよう、懸命に取り組んでもいる」
ハンガリー後の夏休みはテストの禁止期間でもあったが、全11チームはファクトリーでハードワークを続けており、残り3分の1となったシーズンでライバルたちを上回るべく調整に取り組んでいる。
「我々は前進できたし、ほかのチームも同じだと思う」とベルは続ける。
「トップ2のチームは明らかに一歩先を進んでいるし、彼らを相手にレースをするのはどこにとっても難しいことだろう。BMWはここ数戦で間違いなく成長しており、現段階においては我々よりも速い。ウイリアムズとトヨタも進歩しているが、全体的には最近のレースと同じようなパフォーマンスを示してくると思うし、シーズン閉幕まで比較的変化はないはずだ」
イスタンブールパークは、ルノーがBMW相手にコンストラクターズ選手権3位の座を賭けて直接対決を仕掛ける初めての機会になるだろう。そんななかベルは、ルノーが初日から強さを見せることができると楽観的に考えている。
「トルコはとてつもないチャレンジが待ち受けるような場所ではない。我々が直面するであろう、高い気温を除いてね」
「我々の目標は、いつもと同様にパッケージから最大限の力を引き出すことだ。もしいい仕事を続けることができ、クルマの力を引き出すことができれば、今年の終わりまでに何度もBMWを負かすことができると思う。それが一番の目標だよ」
レースチームが現場へと戻るなか、エンストンとビリーのファクトリーで進む作業は、既に来シーズンに向けた開発が中心となっている。
「今年の問題が来年のプログラムに悪影響を及ぼすことはないと常々言ってきたが、その考えは変わらない」
「我々のデザインならびに開発のリソースは、2008年にしっかりと焦点を置いている」
「早くからクルマへの取り組みを始めているが、そのアプローチは近年とはかなり違ったものになっている。何よりもまず、我々の開発ツールが正しく機能しているという確信を持つ必要がある。それが確認できれば、新車の設計に多くのエネルギーを注ぎ込むことができる。プロジェクトは予定通りに進んでいる。非常に興味深い、新たな開発手順を検討しているところだ」