カナダGPで息子ルイスによるF1初優勝を見守った父アンソニー・ハミルトンが、この“特別な日”について語るとともに、これは今後積み重ねる多くの勝利の一歩に過ぎないと主張した。
F1デビュー後、わずか6戦目にしてポール・トゥ・ウインで初勝利を飾ったハミルトンは、2度のワールドチャンピオンに輝いた僚友のフェルナンド・アロンソに存在感すら与えぬ走りで優勝を手にした。さらに注目すべきは、ハミルトンがドライバーズ選手権で2位に8ポイント差を付けトップに躍り出たことだ。
「私たちにとって特別な日となったのは間違いない」アンソニー・ハミルトンはレース終了後、とりまく報道陣に対してこのように語った。
「多くの人々にとっても、今日は特別な日だと思う。F1ファンにとっても、そうでない人にとってもね。普通の青年が成功したという話なんだからね」
「これは家族の勝利であり、マクラーレンの勝利であり、ロン・デニスの勝利だ。その3つの力とともに、すべてのハードワーク、そしてここ数年間の献身が実ったのだ。私はとても誇りに思う。唯一の問題は、今日の私たちの思いを表現するのに適した最高の言葉が思い浮かばないことだ。この笑顔が全てを物語っているだろう」
今回の勝利は世界中の多くのファンが獲らせてくれたと語るルイスに対し、その誠実な態度を賞賛する父アンソニーは、ここまで長く険しい道のりだったと語り、トップにたったいま、息子はこのチャンスを逃しはしないだろうと付け加えた。
「これまで、常に私たちは1日1日少しずつ進んできた」とアンソニー。
「まず最初は、カートだけに集中していたんだ」
「自分というものを失い始めると、失敗することになるだろう。学ぶことをやめてはいけない。ルイスは今日、あのセーフティーカー導入で大いに学び、そこから多くの経験を手に入れたに違いない。彼はこのレースに4度も勝利したんだ。セーフティーカーが入る度、勝ちを失う可能性もあったからね」
「これから更に勝利を重ねるだろうし、選手権でも結果を出せるだろう。ルイスが負けるほうに賭けないでくれよ」