自社製品のキャッチコピーで“翼をさずける”と謳うレッドブル。今週末のカナダでは、“姉妹チーム”のスクーデリア・トロロッソと共に、このスローガンを強力なパフォーマンスによって実現したいところだ。
ロングストレートと急減速のスポットを備えるジル・ビルヌーブ・サーキットへ向かうにあたり、各チームはここでの2大要素となる空力パッケージとブレーキ性能に取り組んでいる。レッドブルの両チームもライバル勢と同様、モナコを前に実施されたポール・リカールでのテストで様々なテストに追われたという。
「低ダウンフォースの特性を持つトラックに合わせ、新しいフロントおよびリアウイングを投入する予定だ」とトロロッソのジョルジョ・アスカネッリは語る。
「このフロントウイングには新しいバージボードも必要になる。これら新パーツは、金曜日に初めてトラック上でテストする。今のところ、我々は風洞でのデータを信じるしかないんだ」
一方、レッドブル・レーシングのエイドリアン・ニューウェイによると、デイビッド・クルサードとマーク・ウエーバーが乗るRB3に向けて、新しく、より小型のリアウイングをモントリオールで投入すると明らかにした。
「モナコ前にポール・リカールで行ったテストでは、最後の2日間でモントリオール向けのテストを実施した。そこで試したリアウイングは、メルボルンで使ったウイングを小型化したものだ。そのため、モントリオールは超低ダウンフォースのリアウイングを使用する初めての場となる」とニューウェイは語る。
「しかし、FIAが新たに導入した“たわみ”をチェックするテストも受けなければならない。リアウイングが違法なフレキシブルウイングでないかを見るためのテストだ」
また、ロードコースでもストリートコースでもあるジル・ビルヌーブ・サーキットは、モナコと歴史あるF1サーキットの両要素を併せ持っており、ここでのタイヤの選択はチームにとって難問となる。
「もちろん、ブレーキに最も過酷なこのトラックに合わせて、ブレーキ用の新パーツを用意する予定だ。また、モントリオールもソフトタイヤの要るバンピーなサーキットであるため、モナコ仕様のパッケージからいくつかの要素を受け継いでいる」とアスカネッリ。
「信頼性の向上を目的とした、更なる変更も施される予定だ」
モナコでウエーバーのマシンがトラブルに見舞われ、ポイント獲得のチャンスを逃したことを受け、ニューウェイもまた信頼性についての思いを巡らせているという。今シーズン、レッドブルが入賞圏内でゴールしたのは、クルサードが5位入賞を果たしたスペインGPのただ1戦であるため、なんとかRB3のポテンシャルを最大限に発揮したいと彼は考えている。
「多くのチームと同様に、我々もブレーキダクトに注意を払っていく。ここはカレンダー中で最もブレーキに厳しいサーキットだからね。同時に、ギアボックスの電気系統と油圧を主とした信頼性の問題も解決したい」
「その領域も改善されつつあると思う」
クルサードはカナダGPで新品のルノーエンジンを使用できるため、ロングランでは優位に立つことができるだろう。一方のウエーバーは、モナコで多少使用したエンジンを再び使うことになる。