今週末のカナダGPに向けてチームが大西洋を横断するなか、BMWモータースポーツのディレクター、マリオ・タイセンは、サーキット・ジル・ビルヌーブが一筋縄ではいかないことは重々承知しているものの、レースに向けては自信を持っていると語った。
2007年のF1世界選手権も5戦を終え、ニック・ハイドフェルドとロバート・クビカはチャンピオンシップの上位に名を連ねている。しかし、モントリオールの市街地コースは、多くの世界チャンピオンが最終コーナーで姿を消すなど、ドライバーの努力を無にしてしまうことで知られている。そんななかタイセンは、両ドライバーによるポイント獲得をぜひ見たいと願っている。
「昨年、我々は選手権5位で大西洋を渡った。そして2007年は3番手のチームとしてカナダの地を踏むことになる」とタイセン。
「しかし2006年は、北米2戦でわずか2ポイントの獲得に留まった。そこから進化したいと思うのは当然のことで、選手権における我々の地位を固めるためにも、モナコでの好成績を足がかりに、できるだけ多くのポイントを獲得したい」
「サーキット・ジル・ビルヌーブの雰囲気は、モナコと同じくとにかく魅力的だ。しかし、モントリオールのトラックがもたらすチャレンジのタイプは全くの別物だ。サーキット・ジル・ビルヌーブは、空力面でのマシンへの要求という点で全く異なるし、とりわけブレーキとエンジンへの負担は限界まで達する。F1のレギュレーションに沿って、我々のマシンはモナコで使用したエンジンを引き続き使うことになる」
一方、テクニカルディレクターのウィリー・ランプは、モントリオールの特殊な要求に対処するため、2台のF1.07に新たなテクニカルパッケージを導入すると語った。
「モントリオールが“ミディアム・ダウンフォース”のサーキットと呼ばれる所以は、ロングストレートとシケインのコンビネーションにある。これを考慮して、我々は特別な空力パッケージを開発した」とランプは説明する。
「ロングストレートは最終シケインへと続いており、トップスピードが十分にあれば、ドライバーには追い抜きのチャンスとなる。だがF1カレンダーのどのサーキットと比べても、モントリオールはブレーキに厳しい場所であり、最大限のブレーキの冷却と、ハイパフォーマンス仕様のディスクとパッドが必要不可欠だ」
このサーキットは事故の多さでも有名だが、ランプもまた、タイセン同様レースに向けての自信を覗かせている。
「このサーキットでは、ほんのわずかなミスも許されない。クラッシュバリアは大部分がトラックに接近しており、ランオフエリアも多くはない」
「昨年、我々はカナダで大いに競争力を発揮することができた。今年も再びいい結果を得て北米を後にできると確信している」