ホンダ・レーシングF1チームのジェンソン・バトンによれば、今週末のマレーシアGPに向けてセパンで行われた4日間のテストで、ホンダは“正しい方向に向けての小さな一歩”を踏み出せたという。
ホンダにとって非常に苦しい戦いとなったオーストラリアGPで、バトンは予選14番手、決勝でも15位に終わるという悪夢のような週末を送った。特に彼らが昨シーズン末に見せていた好調さから考えると、この結果はバトンにとって大きな落胆となった。
バトンはセパンで奇跡が起こることを期待してはいないものの、先週のテストで走行したかぎりでは、マシンに対しては前よりも満足感を持っているという。
「今週、僕らはたくさんのテスト項目をこなしてきた。主に新しい空力パーツに取り組み、オーストラリアで抱えた問題のいくつかを解決しようと試みた」とバトン。
「マシンはセパン・サーキットの方が確かにいい走りを見せる。その理由としては、ここではブレーキングの安定性があまり重要ではないということもあるし、この1週間で僕らがいくらか進歩できたということもある」
「僕らは決してすべてを解決できたわけではないし、まだ先は長いが、正しい方向に向けて小さな一歩を踏み出せたよ」
いまや今週末のマレーシアGPに目を向けているバトンは、2004年にここでF1初となる表彰台を獲得している。そのため、このイベントは彼にとって大きな意味を持っているが、これは簡単なレースではない。暑く、湿度の高いコンディションのため、F1カレンダーのなかで最もタフで、肉体的に厳しいレースとなるからだ。
「セパン・サーキットはとても厳しいコースだし、このレースの週末は誰にとっても大変なものになる。ステアリングを握るドライバーだけでなく、チームやマシンにとってもね」と彼は付け加えた。
「厳しい暑さのせいで、技術的な懸念が必然的に冷却へと向けられることになる。特に、ラップの70%近くをフルスロットルで走行するからね。湿度はかなりの肉体的疲労をもたらすし、レース中、僕らは涼しさへの生理的要求と、暑さに対処できる身体的状態を保つという必要性の間で、バランスを保ち続けなくちゃならない」
「今週末のレースに向けて、僕は環境に適応するためにできるかぎり屋外でトレーニングするつもりだ。テストのためにここで過ごせたことも、適応プロセスへの助けになったよ」