ホンダレーシングF1チームは26日、地球をイメージした新しいマシンカラーリング、そして環境をテーマにした新コンセプトのマーケティングを明らかにした。
マシンのフロントウイングからノーズ、コクピット周辺、サイドポンツーンに至るまで、巨大な地球が描かれ、規定で決められたスポンサーロゴ、カーナンバー以外の文字がないカラーリング。ホンダF1の新カラーリングは、これまでの白地に赤がベースのものから大幅なイメージチェンジを果たすこととなった。
今回のカラーリングは、ホンダによれば「地球をイメージした新しいマシンカラーリングの採用と斬新なマーケティング手法」がテーマだという。この地球のカラーリングはマシンへのスポンサーロゴの露出を廃止し、環境問題に直面する地球をイメージしたもの。また、スポンサーロゴがついていないことに対しては、パートナーとなる企業に対し、マシン及びロゴの使用をライセンス化することで、マーケティングツールとしての活用を可能としたというもので、これによりパートナー企業はホンダF1とともに「環境をテーマに戦う」イメージを共有できることになる。
また、新たな環境への取り組みとして、協賛金(スポンサーフィーやライセンスフィー)の一部を、環境保護団体などへ寄付を行うほか、リヤウイングに描かれたアドレスwww.myearthdream.com上で、一般の人々がマシンのピクセルを購入することで参加できるチャリティーを展開する。
このホンダF1の新たな取り組みに対して、すでに昨年までのパートナー企業に加えユニバーサル・ミュージック社、ゲータレードブランドを扱うペプシコ社、フィラ社、IBM社、インストロン社、オリバースウィーニー社、パーキンエルマー社、昭和電工株式会社、テュフズード社、GFアジェ・シャルミー社ともパートナーシップを締結。「環境」というキーワードに多くの世界的企業が関心を示した格好だ。
「気候変動は、現在地球が直面する最も大きな問題のひとつであり、F1界においても、この問題は避けて通れない。むしろ、全世界で注目され最先端技術を誇るF1だからこそ、重要な役割を果たすことができると考える。さらに、FIAは『F1でも社会に役立つ技術開発を行うべき』との認識を持ち、例えば、2009年までにエネルギー回収システムをマシンに導入するなどの長期的な方針を打ち出している。私たちは、チーム、パートナー企業、そして一般の皆様と一緒になって取り組むことで、環境問題の解決に貢献できると信じている。まずは、問題提起と人々の理解や関心を高め、このテーマに取り組んでいきたい」とはホンダレーシングF1チームのニック・フライCEOのコメント。
かつての創世記においては、マシンはそれぞれの所属チームのナショナルカラーに彩られていたF1。今回のホンダF1のカラーリングは、ロータス・チームが1968年にスポンサー・カラーを持ち込んで以来の「F1カラーリング革命」と言ってもいいだろう。