レッドブル・レーシングのエイドリアン・ニューウェイは、2007年のF1マシンを製作するにあたって、白紙の状態から出発したと語っているが、その一方、彼の過去の設計からのアイデアが自然に含まれてしまったことも認めている。
26日のRBRの公式サイトでは、ルノーエンジンを搭載したニューマシンが、バルセロナのカタルニア・サーキットでお披露目され、ニューウェイはこの車を製作にするにあたり、考慮を重ね、多くの作業を必要としたと語っている。レッドブルの最初のマシンは、2005年にチームがジャガーを買収した際に受け継いだ車をベースにしていた。ニューウェイはまた、エンジンがルノーになるのか、あるいはフェラーリになるかという問題は、設計の段階においてそう大きな影響を与えなかったと強調している。
「私がマクラーレンに加入したのは1997年8月1日のことだったが、翌年の2月にはまったく新しい車両を完成させることができた。しかし、レッドブルに入ったのは2006年1月だが、新車がようやく完成したのは2007年に入ってからのことだった」と、チーフ・テクニカル・オフィサーの立場にあるニューウェイはそう苦労を語る。「つまり、9、10年前と比べ、今やF1マシンを作るには、より高いレベルでの研究が必要だということを意味している」
「RB3に関しては、風洞トンネルにモデルを持ち込むことができたのが2006年6月になってからのことだった。我々の当初の計画に比べてかなり遅れていた。モノコックやギヤボックスといったベース部分が完成するまでは、本当に多忙な日々が続いた。ただ今年、どんなエンジンを積んで走らせるのかという不確かな部分はあったが、それによる影響は無かった。今やほとんどのV8エンジンはその搭載に関してはそう大差は無い。そのため設計の段階ではどのエンジンを選択するかによって設計に大幅な変更を強いられるということは無い。ただ、チームが2007年に向けて目指しているものが、過去に行ってきた事と若干異なるので、その点で時間的な影響を受けた。それによって製作時間がずれこみ、またベッドフォードの風洞トンネルの完成時期による影響もあった」
「新車の開発作業はすべてベッドフォードの工場において行ったが、設備が完全に整ったのは、我々がまさに新車の開発を始めようという時だったのだ。そのため、新車のモデルが使用できるようになるまでは、風洞トンネルでのシステムチェックを行うために旧車を入れてテストをしたよ」
ニューウェイはこれまで、レイトン・ハウス、ウイリアムズ、そしてマクラーレンと様々なチームで仕事をし、そしてどのチームでも車両の製作に関して成功を収めている。今回のRB3を製作する上で、過去の自らの設計が影響したとしてもまったく不思議ではない。