効率と柔軟性。それがBMWザウバーのテクニカルディレクター、ウイリー・ランプが掲げるテーマだ。
今週バレンシアで発表されたF1.07のコンセプトと設計において最も重視されたポイントは、今季からのブリヂストン・ポテンザへのスイッチ、そしてシャシーをできる限り細くすることだったとランプは言う。
「このクルマはまさに私たちが望んだとおりに仕上がった。私たちはチーム内で設定していた空力効率に関する目標を全て達成した。あとはそれがライバルたちと比べてどのくらい優れているかを確かめるだけだ」
さらに彼は、空力効率を向上させることが最大の焦点だったと述べ、F1.07のユニークな形状のエアボックスと大きなフィン、そしてサイドポッドの変更と完全に見直されたクーリングシステムについて解説した。
「いまや空力はクルマのパフォーマンスにおける最も大きなファクターだと思う。私たちは集約的な新しい組織編制により、3交代制で風洞を稼動させている。そのおかげで、より細かい部分まで踏み込んだ開発が可能になった。そして、今ここにあるのが、その成果だ」
「シャシー開発に関しては、2つの主な目標を掲げた。空力効率を向上させることと、新しいブリヂストンタイヤをうまく使いこなせるように柔軟性を与えることだ。空力面では、基本的にはすべてが新設計になった。フロントウイング全体が新しいし、ノーズはF1.06よりもずっと短い。モノコックの位置も高くなっている。その主な目的は、クルマの下を流れる空気流を整えて、全体的な空力効率を上げることだった」
「今年からタイヤがブリヂストンになるが、私たちにはこのタイヤが必要とする最適な重量配分が分からなかったので、その面で多少の柔軟性を持たせようと試みた。私たちはきわめて早い段階からタイヤの変更に伴って何が必要かを考え、それを空力面での目標に取り入れた。そうすればクルマ全体のコンセプトにおいて妥協をしないでも済むからだ」
ランプによれば、チームの2台目のシャシーもほぼ完成しており、今月末に行われる次のテストには間に合うとのこと。このクルマのコース上でのパフォーマンスは、風洞での成果を証明してくれるはずだと、彼は言う。
「最初のテストを終えた段階での印象として、私たちは正しい道を進んでいると思う」