まだポイント獲得を成し遂げていないスーパーアグリチームだが、マネージングディレクターのダニエル・オーデットの考えでは、チームは2008年にもグランプリ優勝を目指せるかもしれないという。
2006年シーズンの初めにF1に参入したスーパーアグリは、4年落ちのアロウズシャシーで佐藤琢磨と井出有治を走らせた。開幕戦のバーレーンでは、当然予想されたとおり、ペースの上で他チームにかなり遅れをとったが、チームは目の前の仕事に腰を据えて取り組み、最終戦のブラジルGPでは、琢磨がチーム初のトップ10フィニッシュを成し遂げるところまで行った。
2007年に向けて、チームは評価の高いイギリス人ドライバー、アンソニー・デイビッドソンをラインナップに加え、さらなる前進を目指している。しかしオーデットは、大きな前進が期待できるのは、2008年だと語る。特に、レギュレーションの変更によって、チームがホンダとさらに連携を深め、既製のホンダシャシーを走らせることができるかもしれないからだ。
「私たちが負け組ではないことを世界に示したい」とオーデットは語った。
「今やチームの基礎ができ、メカニックもエンジニアも揃っているので、もっとよい順位を目指して戦えるということをぜひ証明したいと思う。古いマシンで発揮した力があれば、2008年には、どこかのグランプリで優勝候補に入れるかもしれない」
「ホンダのサポートがとても強力だというのは本当だし、佐藤とデイビッドソンは、とてもいいドライバーのコンビだと思う。だが、(来年)グリッドの中程に行くには、大きな大きな飛躍が必要だ。それが達成できるのは、レギュレーションが大きく変わる2008年になるだろう。2008年こそ、スーパーアグリがポテンシャルをすべて発揮できる年になると思う」
「新しいルールで、小さいチームもトップチームと同じ技術サポートやシャシーやエアロを手に入れられるようになる――私たちは同じマシンをシェアすることもできる――そして、そうなれば、重要になるのはドライバーや、レーシングチームや、戦術だ。とてもいいマシンと、とてもいいドライバーと戦術、そして少しの幸運さえあれば、小さなチームでも、2008年にはグランプリ優勝が可能かもしれない」
デイビッドソンは以前、新たに加入したスーパーアグリを、グリッドのもっと上位に押し上げたいと語っている。彼は契約の直後に英クラッシュネット・ラジオに対して、来年末までにはポイント争いができるようになりたい、とコメントした。