ルイス・ハミルトンは、今週末のブラジルGPでF1デビューをするのは得策ではないと判断したと語った。
彼はまだ、来シーズンのレースシートが保証されているわけではないが、今後のために一度とはいえグランプリを経験しておくことは魅力的なチャレンジだったかもしれない。
しかし冷静なイギリス人のハミルトンは、インテルラゴスでキミ・ライコンネンと組むことによって、得るであろうものと同じだけのものを失っていたかもしれないという。このシーズン最終戦でライコネンが再びペドロ・デ・ラ・ロサと組むことを明らかにしたマクラーレンも同様の見解だ。
「準備はできていると実感している」と英メールオンサンデー紙に語るハミルトン。
「だが、フォーミュラワンはモータースポーツの頂点だ。飛び込んですぐに動けるというような場所ではない。いいシーズンだったのに、もし(ブラジルでレースに)出ればひどい経験をすることになると思う」
最近のシルバーストンおよびヘレスでのテストで着々と走行距離を伸ばしているとはいえ、ハミルトンは、F1ドライバーのスキルとしてなくてはならないものがまだ不足していることを承知の上で、今回の参戦を見送り、冬の間にさまざまなコンディション下でテストを重ねることに専念した方がいいと判断したようだ。
「(インテルラゴスは)雨になるかもしれないのに、僕はF1マシンでウエットで走ったことがない」と、荒れやすい当地の天候について説明する彼。
「冬季テストで十分な距離を走りこんで、できるだけ多くのことを学んでおいた方がいいと思う」
カート時代からマクラーレンとつながりを持ち、今季GP2シリーズのチャンピオンとなったハミルトンにとって、彼のF1デビューをチームが決して急がせていないことは分かっている。とはいえ、現タイトルホルダーであり2006年もチャンピオンがほぼ確定しているフェルナンド・アロンソとペアを組む2007年ラインナップの有力候補であることに変わりはない。
「僕の夢だからね。その夢のために今は自分の人生の中でいるべき場所にいるのだが、ロン(デニス)とマーティン・ウィットマーシュからは、いま我慢することが役に立つと教えられた。自分のキャリアを振り返れば、マクラーレンは僕のことを待ってくれ、僕のすることをずっと我慢して見ていてくれて、おかげでいろんなシリーズで勝ってこられた。これからは(F1の)車のメカニズムを学ばなければならないし、チームのことを理解し本当のチームの一員になっていかなければならない。ロンとマーティンに対する、そしてマクラーレン・メルセデスに対する信頼がすべてだ。彼らの先導にすべて任せている」