ルーベンス・バリチェロは、母国に戻って今季最終戦ブラジルGPに参加するのが待ちきれないという。彼は今年、母国の熱烈なファンの前に去年までとは違うレーシングスーツ姿で現れることになる。
“F1で一番活躍しているブラジル人”というステータスをフェラーリのフェリペ・マッサに奪われたバリチェロだが、今なおファンの人気は根強い。彼はインテルラゴスをとても気に入っているが、彼のここでの強さは、まだ勝利で報われたことがない。
実際、バリチェロはここではありがたくないリタイア記録を誇っている。中でも2003年には、トップを走っていながら、燃料のトラブルでリタイアに追い込まれた。
とはいえ、ブラジルでのレースは、バリチェロにいい思い出をよみがえらせる。彼は、今年は優勝までは期待しないものの、好成績で1年を締めくくろうと決意している。
「ブラジルでの母国レースは、僕にとってとても特別なものだし、いつも普段以上にモチベーションが湧いてくるんだ。僕はインテルラゴスのすぐ近くで生まれて、レースの夢を見るときはいつでも、このコースを走る夢だった。あそこで観客として見た初めてのレースは、1980年、ルネ・アルヌーがエリオ・デ・アンジェリスを破ったレースだ。あの時以来、僕はあそこで勝ってみたいと願っているんだ」
「母国で一度も勝ったことがない、というのにはフラストレーションを感じるよ。特に2003年には勝っていたはずだったのに、燃料のトラブルが起きたんだ。あの年には、あんな強いマシンを持っていたのに、母国レースで僕をガッカリさせるなんてね!」
カレンダーの中で3つしかない、左回りのサーキットのひとつであるインテルラゴスは、ドライバーにとって最も厳しいコースという評判だ。特に、非常にバンピーでもあり、とても高速になる部分もあるからだ。
「このコースは肉体的にとても厳しい。左回りだし、かなりバンピーだからね」とバリチェロは続けた。
「簡単だという人もいるけど、実際はそうじゃない。低速コーナーと高速コーナーの間でいい妥協を見つける必要があるからだ。低速コーナーでもっとグリップを得ようとして、ストレートスピードを犠牲するわけにはいかない。さもないと追い越されてしまうからね」
バリチェロはまた、この週末に自宅に帰ることも楽しみにしている。この機会はあっという間に過ぎ去ってしまうが、このレースは一年で一番気に入っているレースのひとつだという。
「コースのこと以外でも、自分の故郷でレースをするのにはたくさんのアドバンテージがあるよ。家族がそばにいてくれるし、毎晩家に帰って、自分のベッドで寝られるんだからね。これはみんな、大きなプラスになるんだ。レースの週末自体はとても慌ただしくて、いつもあっという間に過ぎてしまうけれど、僕にとっては一年で一番楽しい週末のひとつだよ」