ベルギーGPは、すでに8月に発表された2007年の暫定F1カレンダーに含まれてはいたものの、バーニー・エクレストンと地元経済担当大臣のジャン・クロード・マルコートが契約に署名し、ようやく正式承認された。
ひとまず1年契約が締結されたことにより、スパ‐フランコルシャン・サーキットが来年9月中旬に復帰する見通しとなった。しかし、2008年以降の開催については不明瞭のままだ。ワロン地域は、今回の復帰によって4、000万ユーロを負担しなくてはならないだろう。その内訳は、開催のための権利費用と、サーキット内の老朽化したピットおよびパドック施設の建替え費用である。この計画がかなわずに今年度の開催が見送られたわけだが、マルコートは賠償金が要求されることはないだろうと聞き、胸を撫で下ろした。
「私は幸せな男だ」と、マルコートはベルギーのラ・リブレ紙に語った。
「我々(ワロン地域)は、スパ‐GP社という新しい会社と協力し合ってグランプリを開催することになったが、2006年に開催できなかったことに対する賠償金は支払わなくてもよいのだ。今回のバーニー・エクレストンとの合意では、過去の負債が免除されている。それゆえ、我々も財務バランスを達成できるはずだ」
DDF1社が倒産し、2006年の開催が中止となったわけだが、同社からスパ‐GP社はベルギーGPのオーガナイズを引き継ぐ。しかしスパ‐GPは、この契約が3年間のオプションを有した2007年のみの契約であることは、よく分かっている。
その契約以降のグランプリを主催するかどうかは、スパ‐GP社が決定することになるだろう。しかしながら、今年度のイベントが成功するかどうかによって、ワロン政府がそれ以降のF1開催を取り止めにするという選択をするかもしれない。そうなれば、自動的に賠償金の支払いが求められ、ワロン地域は1、800万ユーロをエクレストンとFOMに支払わなくてはならなくなる。あるいは、エクレストン自身がレース開催権を持ち、2010年までの3年間の開催契約において同様の額が支払われるという可能性もある。