ルノーにとってはここのところタフなレースが続き、また、レースごとに彼らの持つリードは失われていっていた。しかし日本GPでは、まだタイトルの獲得の決定には至らないものの、フェルナンド・アロンソが見事な勝利を収めた。
アロンソの2年連続となるタイトル獲得には、あとわずか1ポイントをの獲得が必要だ。また、ジャンカルロ・フィジケラが3位に入ったことにより、コンストラクターズポイントにおいては、あと1レースを残した段階で、ルノーはフェラーリに対して9ポイント差という安全圏に入った。
ルノーは、タイヤの選択に苦しんで予選が不調に終わっただけに、決勝レースでの1位、3位フィニッシュはかえって注目を浴びる結果となった。ただ、最終的にミハエル・シューマッハーのエンジントラブルによってアロンソに勝利が転がり込んできたものの、両者の間の差はほとんど無かった。
これまでアロンソの選手権獲得に向けて、チームは十分に彼をサポートしていないというプレスからの批判に対抗するかのように、アロンソの勝利は疑うことなくチームの勝利であり、フランスとイギリス両方のファクトリーの努力によるものであるとフラビオ・ブリアトーレはすかさずコメントを発表した。だが、チャンピオンシップはまだ決定していないことも認めている。
「この結果に対して、私はチームに感謝したい。このところ苦しいレースが続き、勝てるレースさえ落としてきていた。だが、チームは密接に協力し、集中して作業を続けてきた。だから今回の成功はチーム全員で喜びあいたい」
「フェルナンドは本当に素晴らしい仕事をしたし、フィジコの仕事も完璧だったし、戦略をきちんとこなした。さらにピットストップもノーミスだった。今夜は今日の勝利を祝う事にするよ。でも仕事は終わったわけではない。ブラジルに目を向けなければならない」
パット・シモンズは、不本意に終わった予選の後、レースではダメージを最小限に留めたいと考えていたが、予想に反してカナダGP以来となる勝利を手にすることができたことに喜びを隠さない。そしてチームは再び勝利を可能にするパッケージを手に入れてブラジルに向かう事ができると語る。
「2006年の世界選手権は、誰もが予想していたものよりエキサイティングなものになっている」
「先週の土曜日、中国でフェラーリはどうすれば勝てるだろうかと不安になっていたと思う。そして昨日の段階では、我々が同様の気持ちだった。でも今シーズンはレースごとに何かしらサプライズが生じている。そして今、我々は満足している状況でブラジルに向かおうとしている。だが大事なのは我々は再び勝てる、と信じる事だ」