ルノーのディレクターオブエンジニアリング、パット・シモンズが、アメリカGP以降、今年のタイトル争いの情勢が変わることはなく、ホームレースとなるマニ−クール戦で巻き返しを図るべく準備を進めていると語った。
アメリカGPでは終始フェラーリの陰に隠れる結果となったルノーだが、タイトル争いでのダメージを小さくすることには成功した。ジャンカルロ・フィジケラは3位表彰台を獲得し、ブリヂストンタイヤを履くトヨタのヤルノ・トゥルーリを挟んで、フェルナンド・アロンソが5位入賞を果たした。
フィジケラが選んだミシュランタイヤは、より保守的なものだったようだが、トゥルーリの猛追を抑えて3位表彰台を獲得した。しかし、フェラーリも使用しているブリヂストンのパフォーマンスに、シモンズも驚きの色を隠せないでいる。
「ルノーは全く現状に満足してはいない。アメリカGPで起こったことについて詳細に調べていく予定だ。それにしても、フェラーリはカナダで私たちより遅かったのに、インディアナポリスで突然とても速くなった。マシンもエンジンも基本的には同じものだったのに。これまでずっと言ってきたように、優勝チームは、ベストソルーションを見つけられるか否か、特にサーキットとコンディションに最適なタイヤを選ぶことができるか否かによって、レースごとに変わるはずだ。今週末はライバルたちが私たちよりいい仕事をした。私たちが今年、他のほとんどのサーキットで行ってきたようないい仕事ぶりだった」
確かに、ルノーはアメリカGPで敗れたが、昨年のモントリオールとインディアナポリスでの北米戦ではノーポイントだったのに比べ、今年は計25ポイントを獲得した。フェラーリは30ポイントを獲得してルノーとアロンソとの差を若干縮めたが、ルノーは2位に昨年より8ポイント多い26ポイント差でヨーロッパに戻ることになった。
「適切な状況を保てたことが重要だと思う」とシモンズ。
「インディアナポリスは普通のサーキットとは違う。独特のところがある。2005年の北米戦は最悪だった。しかし、今年は25ポイントを獲得して北米を去ることができる」
「もちろん、私たちは今週末負けたし、チームのみんなも負けることは好きではない。しかし、私たちは戦いに向けて準備を進めている。来るヨーロッパ戦では、かなりアグレッシブな開発プログラムを準備している。私たちにとってもミシュランにとってもホームGPとなるフランスでは、いままでより競争力が各段に向上すると思う。マニ−クールでは私たちとフェラーリとマクラーレンとの間で、普段通り、面白い接戦が見られることを期待している」