ルノーのジャンカルロ・フィジケラは、フェラーリがトラブルに巻き込まれることなく1−2を飾ったアメリカGPでは、3位を獲得するのが精いっぱいだったことを認めているが、フェラーリ優位という状況は一時的なものだろうと主張している。
ブリヂストン優勢で展開したインディアナポリスでは、レースではフェラーリに加えてトヨタも活躍、またミッドランドの2台も予選で普段よりも上のグリッドを獲得した。しかし、フィジケラをはじめとするミシュラン勢はその多くが保守的なタイヤを選んだと思われ、フェラーリの速さには対抗できなかった。
「今日(レース中)のフェラーリのペースもそうだが、とりわけ昨日(予選)のペースはものすごく速くて、僕らより速かった」とフィジケラ。
「ただ、今回のレースは特別だったと思う。彼らが僕らよりもこれほど速いのは、こういった類のサーキットだけだ。カナダまでは対等で、僕らの方が速い時もあれば、彼らの方が速い時もあった」
「僕らが抱えていた主な問題は、グリップ不足だった。マシンバランスはそれほど悪くなかったからね。あと、ヤルノ(トゥルーリ)がピットレーンからスタートして、4位でレースを終えた。それはつまり、今日のブリヂストンタイヤが少しだけ僕らのタイヤよりも働きが良かったということかもしれない」
彼のチームメイトであり、現ポイントリーダーのフェルナンド・アロンソは5位入賞を果たすのがやっとであり、今回だけはフィジケラの方が世界チャンピオンよりも力強いレースを見せたといえる。ルノーともう1年契約を結んだことが、間違いなく追い風となっているのだろう。フィジケラは好スタートを決めたチームメイトを追い抜くと、フェラーリとの戦いに挑んだ。
「僕はどのセクションでも彼(アロンソ)よりも速かったよ」とフィジケラは明かした。
「追いついてみると、彼はグリップ不足でアンダーステアに苦しんでいた。単に僕の方が安定していたんだ。オーバーテイクした途端に、彼よりも何秒も速いタイムが出せた」
今回はフェラーリが1レースにおける最多ポイントを獲得したものの、フィジケラはあまり心配していないと述べた。このままフェラーリに有利な流れになるとは考えていないのだ。
「当然ながらフェラーリは力のあるチームだし、いつでもプッシュできるはずだ。でも、僕自身はルノーと同じで、それほど不安には感じていないよ」
「僕らは開発を続けていくべきであり、それがシーズンの残りにおいてとても重要なことだ」