「クリーンなバトルを期待していたのに、モンテイロが寄せてきた……」アメリカGP決勝でミッドランドのティアゴ・モンテイロと接触、僅か6周でリタイアとなってしまったスーパーアグリの佐藤琢磨はレース後、アクシデントの経緯についてそう語り、トップ10圏内での完走も可能だったインディでのリタイアを悔しがった。
マシンの仕上がりも順調で予選で18番手に着けるなど「今シーズン最高の手ごたえ」で決勝レースを迎えた琢磨。スタート直後に起きた多重クラッシュも「危なかったけど、ぎりぎりのところで切り抜けた」後は、ポジションも11番手にアップ。その後入ったセイフティカーで先行するモンテイロ、クルサードの後ろに着けて、リスタートでのチャンスを虎視眈々と待っていた。
「前の2台のスリップにつく形でストレートに入って、スピードもグングン乗っていたので、思い切ってモンテイロのイン側に飛び込み、僕のフロントタイヤが彼のリヤタイヤの前に出るような形で1コーナーのブレーキングに入ったら、後ろに僕がいるのを見えているはずのモンテイロがマシンをこちら側に寄せてきた」と琢磨。
「2台ともフルブレーキングに入っているからどうすることもできないし、行き場を失った僕はイン側の縁石に乗り上げてしまい、その反動でマシンが宙に浮いてモンテイロにぶつかってしまいました。レース後、彼とは話をしたけれど、お互いに言い分は違うから」と納得の行かない表情。
「今週末はすべてが順調に来ていたし、オープニングラップの混乱を乗り切ったことで、いいポジションにいたから、何としても完走したかった。モンテイロともクリーンなバトルを期待していたのに……」と悔しがるレース後の琢磨。ちなみにチームメイトのモンタニーは1周目の多重クラッシュに巻き込まれてしまい、スーパーアグリは2台そろってリタイアに終わっている。
(Ken Kawakita)