マクラーレン・メルセデスのスター、キミ・ライコネンは、今週末のカナダGPで好成績を挙げる“見込みはある”と述べた。昨年、彼はミハエル・シューマッハーを1.1秒差で下し、このイベントのウイナーとなっている。
「去年は素晴らしい勝利を挙げることができた。先日のシルバーストンのレースでも、僕らは手堅いパフォーマンスを示している。今週末も、また好成績を期待できるはずだよ」とライコネン。
「カナダGPを特徴付けているのは、長い高速ストレートと、それに続く極低速のコーナーだ。結果として、おそらく他のコースと比べても一段とコーナーでのバランスが重要になる。コーナーでのバランスが良ければ、立ち上がりでしっかりパワーをかけられるからね。そうでないと、その次のストレートで大きなタイムロスを抱えてしまう。サーキット・ジル・ビルヌーブはかなりの高速コースなので、僕らは超ローダウンフォースのセットアップで走ることになる。路面のグリップそのものも低いから、タイヤにはそれほど厳しくない。僕らはいつもかなりソフトめのミシュランタイヤを使い、それが十分なグリップを発揮してくれる」
「高速コーナーと呼べるようなものはないので、タイヤに横方向の高い負荷がかかる時間はほとんどない。そして、平均速度がきわめて高いにもかかわらず、ここではきわめて正確なドライビングが必要とされる。部分的に公道を利用したサーキットだから、コースからバリアまでがものすごく近いんだ。それに週末の最初のころは路面がダスティだけど、ラバーが乗ってくるとレーシングライン上はクリアになる」
一方、ライコネンのチームメイトであるファン‐パブロ・モントーヤにとって、昨年のモントリオールでのレースはあまりいい思い出にはならなかった。彼は赤信号が点灯している間にピットロードからコースに復帰してブラックフラッグを受け、優勝の可能性を棒に振ってしまった。
「シルバーストンとサーキット・ジル・ビルヌーブはどちらも高速サーキットだけど、その内容はかなり異なっている」とモントーヤ。
「シルバーストンでは本当にハードなブレーキングは必要ない。だけど、カナダではブレーキングがキーポイントで、年間を通じて一番ブレーキには厳しいコースなんだ。結果として、ブレーキの冷却能力を高める必要があり、いつもより大きいブレーキダクトを付けて走ることになる。それに加えて、セットアップの重要なポイントもブレーキングスタビリティだね。ブレーキングに関する性能を上げるために調整できる部分としては、たとえば重量配分とか、空力やメカニカルグリップのバランスなどが考えられる。ブレーキング以外では、ストレートでのスピードの伸びが不可欠だ。長いストレートがいくつもあって、その先のヘアピンの進入などでオーバーテイクのチャンスがあるからね。カナダGPは素晴らしいレースだよ。モントリオールの市街地にもとても近いし、雰囲気はまるでカーニバルみたいだ。僕はこのレースをいつもエンジョイしている。今年は去年みたいなゴタゴタのないレースになることを望んでいるよ」