マクラーレン・メルセデスは、ルノーやフェラーリと勝利を争うためにはMP4-21がまだまだ性能不足であることを認めている。
今週末、ジル・ビルヌーブ・サーキットで開かれるカナダGPを前に、マクラーレン・メルセデスのCEOであるマーティン・ウィットマーシュは、チームのやる気は十分で先週のポール・リカールでのテストでもかなりの前進ができたものの、まだこれだけでは足りないのだと話した。
「先週ポール・リカールでとても生産的な3日間のテストを完了することができた。キミ(ライコネン)とペドロ(デ・ラ・ロサ)とゲイリー(パフェット)の3人で2、600km以上を走りきった」
「MP4-21はまだまだ性能アップが必要なため、今回のテストではテストと開発プログラムの集中的な作業を中心に行った。レースに向けてチーム内で決定しなければならない事項が山ほどある」
「シルバーストンではフロントロウと表彰台フィニッシュを獲ることができ、正しい方向に進んでいることが分かったが、ライバルたちに追いつくためには、やらなければならない仕事がまだまだある」
一方メルセデスのボス、ノルベルト・ハウグは、ある日突然、ルノーおよびフェルナンド・アロンソにチャレンジできるようになるとは思ってはいないが、割合早い時期に実現できるのではないかと見ているという。
「昨年ほどの競争力を取り戻すためにはチーム全員のハードワークが必要だ。8レースで5回の表彰台フィニッシュでは、このチームの実力も当初の予定も反映できているとはいえない。改善は一夜にして成るわけではないが、しかるべき期間内に達成したい」とハウグは断言する。
カナダGPそのものについては、車にとって、特にブレーキにきついレースだと語る。
「ノートルダム島のあのサーキットは常設ではないので、レースもほんの何度かしか行われず、そのためグリップがよくない。ブレーキとクーリングにおいては最も過酷なトラックで、燃料が重くなるほどきつくなる。1周の3分の2はスロットル全開で、かつてのシルバーストンを少々下回るくらいだ」
ウィットマーシュはこう示唆する。
「カナダGPは摩耗率が高く、ブレーキクーリングが非常に重要になる。また川に面したサーキットなので向かい風と追い風が入り混じりセットアップに大きな影響を与えるため、エンジニアにもドライバーにも相当なチャレンジになる」