現ポイントリーダーのフェルナンド・アロンソが今週末のモナコGPについて、勝利を重ねるためにはミスのない週末にしなければならないと話した。一方彼は、毎シーズン、このトリッキーなストリートサーキットでのレースがなくなってくれればいいのにと思っているようだ。
年に一度のモナコの祭典が好きではないというアロンソ。レースカレンダー上の一戦であることを認めつつも、ここではレースが運しだいとなり、特に2006年は、予選システムが変わったせいで一層その傾向が強くなるだろうと語る。
「モナコは他のどことも違う、まったく違う」とアロンソ。
「僕に言わせればモナコはファンのためのショーだ。ドライバーたちは、そのショーをファンのために楽しいものにし、できる限り盛り上げるためにいるようなものだと思っている。結局のところF1マシンの最高性能を引き出しているのかという点で、僕の好みではない」
ドライバーたちは毎年モナコを訪れることでコースを学び、ある段階でやっと精通する機会をもつことになるのだが、最初のフリー走行を木曜に走っただけでは、ドライバーもチームも、その先どうなるのか正確に把握できる保証はないのが普通だ。
「最初は路面がすごく汚れていて周回するごとに徐々にきれいになる」と説明するアロンソ。
「なのでドライバーは常に先を見越して車のセットアップをしなければならず、そこから作業を始めなければならない。バンプやタイトなコーナーがあるのでそれに合わせた特別なセットアップで走るため、車の感触がかなり異なり、すごく運転しづらくなる。タイトなサーキットなので車もタイヤも最大限に活かすことが難しく、また最大限のパワーも出せない。マシンにぴったりのセットアップを見つけるのはほとんど不可能だ。多少なりとも推測を含めてセッティングしなければならないし、その場かぎりのことだけでなく、予選とレースのことを考えて変更を加えなければならない」
ここにきてポールポジションが続いているアロンソだが、今季から始まった新ノックアウト方式で大きなアクシデントが起きることを懸念している。
「フロントローにつければ、レースは完走さえできればほぼ100パーセント間違いなく表彰台に上がれる」と彼。
「予選でトップ5に入れなければ、表彰台はあきらめた方がいい。予選は相当なリスクを負わなければならないが、これがレースを左右するから、必要なリスクだといえる」
「しかし、今年の予選はみんなが少々気を遣うことになると思う。予選で相当頑張っておかないと、モナコはいつもトラフィックがひどい。最初の15分が一番たいへんだろう。イエローフラッグが1回でも出たり、前のドライバーにトラブルでも起きれば、もうアウトだ。慎重にいくことはもちろん、トップ10に入るためには戦略も変えていかなければならない」
レースに向けサーキットと予選システムに危惧を抱きつつ、また2005年にはタイヤの悪夢を経験しながらも、アロンソは自身の車は勝てる車だと言い切っている。
「モナコでは速さを出せると思う。あそこではいいトラクションが必要になるが、R26はシーズン中どのサーキットでもその点は大得意とするところだからね」と彼。
「ミシュランもスペインではすばらしい仕事をしてくれたし、モナコではいつもとても強いミシュランだから、今回もきっといけるはずだ。ルノーも過去の戦績がいい場所だが、勝利のためには今まで以上に完璧でミスのない週末にする必要がある。そこが注意点だ」