モナコは世界でもっとも難しいサーキットのひとつであるとの評価を受けているが、ミッドランドF1のドライバーであるクリスチャン・アルバースとティアゴ・モンテイロは、今週末に行われるモナコGPを前にして、レースに対する自信を見せている。
27歳のオランダ人ドライバー、アルバースは、ミッドランドF1にとっては初めてとなるモンテカルロの有名なストリートコースをアタックするチャンスを楽しみにしている。彼は、経験の少ないドライバーであっても、まったく不利というわけではないと主張する。
「モナコGPはいつでもすごく特別なレースなんだ」とアルバース。
「華麗で魅力に溢れたストリートコース、そして港に泊まる多くのボート、それがモナコのすべてを表している。このトラックはまったくミスを許さない、ドライバーにとってすごくエキサインティングな場所なんだ。下位ドライバーでもここならば他よりも大きなチャンスがある。というのもここではトップスピードは大きな要素ではないからね」
「優秀なドライバーであれば、リスクを冒せば、いい結果を出せることもある。そういう種類のトラックだ。だから僕は本当にそこへ行くのが楽しみなんだ」と元ミナルディのドライバー、アルバースは語る。
「車に対する準備は整えた。シャシーは新しくなり、サスペンションのセッティングも改めたし、ニューエンジンも搭載する。だから僕らは今週末、素晴らしいパフォーマンスを発揮できると思っているよ」
アルバースのチームメイト、モンテイロもまた、アルバース同様にモナコを楽しみにしている。彼自身がストリートサーキットの経験を持っているので、ミッドランドがそこでサプライズを起こせる要素を持っていると語る。
「シーズンを見ても、モナコほど他と違うサーキットはない。戦略も雰囲気もまったく違うんだ」とモンテイロ。
「本当にモナコだけは独特のレースだね。そこではどんなことが起きても不思議じゃないし、今年は何が起きるか個人的にも興味があるところだ。特に予選でね」
「去年のモナコではいいレースができた」とモンテイロ。
「だからまたモナコに行けることがすごく楽しみだね。僕は実際のところ、ストリートサーキットは好きな方なんだ。普通のサーキットよりも多くのアドレナリンが湧き出るような、他とは違う感覚が得られるからね。2003年に僕はチャンプカーで走っていたけど、6つか7つくらいはそういうコースだった。だから僕はこういうトラックには慣れているんだ」
チームのスポーティング・リレーション・マネージャーであり、F1で3度の優勝経験を持つジョニー・ハーバートもドライバーたちと同様の感想を持っている。またハーバートほどモナコの起こしうるサプライズを語るに適した人間もいない。なぜなら彼は以前に、モナコGPの持つ予測不能という特徴から恩恵を受けた経験があるからだ。そのハーバートは、ここでよい結果を得るためにキーとなる要素は車の信頼性であると語る。
「このサーキットでは何が起きても不思議ではないと言われているけど、まったくそのとおりだ。僕は1996年にここで表彰台に上っているけど、かつて経験した中でもっとも奇妙なフィニッシュのひとつだったよ」とハーバート。
「最後まで走っていたのは3台だけで、僕はその3番目だった。その時のコンディションがウエットだったというのもあるんだけど、最後まで走りきることができる信頼性が大事だということをその事が証明していると思う」
「モナコで大事なのは賢いレース運びをすること。そしてポイントを獲得するチャンスがほしいのであれば、能力を超えた走りは決してしようとしないことだ」とハーバートは続ける。
「すごく狭いコースだし、オーバーテイクをしかけられるのは限られた場所しかないすごく難しいコースだ。でも正しい戦略と、いくばくかの運があれば結果はついてくる。僕らが今週末にそうならないなんて誰にも言えないよね」