ニュースペックのタイヤを開発してスペインGPに臨むというミシュランの決断は、ルノーのフェルナンド・アロンソが母国ファンを前に歓喜の優勝を果たし、ブリヂストンを履くフェラーリの連勝を2でストップさせたことによって、見事に報われた。
フェラーリ勢では、フェリペ・マッサがレース中のファステストラップを記録したものの、アロンソは熱狂的なバルセロナの母国ファンの前で、スタートからチェッカーフラッグまでレースの大半をリードした。マッサとミハエル・シューマッハーが用いたタイヤは、アロンソのペースについていくだけの性能を発揮できなかった。
ブリヂストンの菅沼寿夫テクニカル・マネージャーは、次のように述べている。
「今日はかなり暑くなり、路面温度が37度まで上がった。我々は、こういったコンディションでもタイヤが安定して性能を発揮すると分かったが、あと少しだけグリップが必要そうだ」
「タイヤの状況は非常に良く、これといった問題もなかった。2位と4位という結果についても、悪い結果ではないと考えられる。レースを戦う度に、貴重なデータを入手している。今日のレースから学び、今後へとつなげていくつもりだ」
アロンソは、スペインGPで勝利した初めてのスペイン人ドライバーとなっただけでなく、ミシュランをまた一歩グランプリ100勝目へと近づけた。ミシュランは、F1からの撤退を予定している今シーズン末までには、その記録を達成したいと願っている。
予選でポールを獲得したアロンソは、2位に18秒という余裕を持って66周のレースを終えた。またアロンソ以外にも5人のミシュランユーザーが入賞を果たした。
「結果が全てを物語っている」とミシュランのF1ディレクター、ニック・ショロック。
「この週末は、全く新しいスペックを用意していた。ここ数戦の結果を見て、革新的な前進を遂げる必要があると分かっていたからだ。しかし、どちらかと言えば、我々は予想を上まわる結果を出せたと思う」
「タイヤは週末を通して、1周目のスピードと、レース中のスティントにおける安定性、その両方に優れていた。スティントが20周以内であろうと、たとえ40周以上であろうと、ドライバーたちは走り続けることができた。パートナーやエンジニアの全員に、心から感謝している。彼らは今回の非常に満足のいく結果を得るために貢献し、熾烈なチャレンジに適切に対応するミシュランの能力を証明してくれた」