スペインGP決勝でフェラーリのミハエル・シューマッハとフェリッペ・マッサはブリヂストン勢の先陣を切って果敢に攻め続けたが、地元スペイン出身のフェルナンド・アロンソ(ルノー)を抑えることはできなかった。
フェラーリの2台のマシンはレース序盤に前方を走るジャンカルロ・フィジケラ(ルノー)に行く手を遮られ、首位を走るアロンソの先行を許した。最終的にフェラーリの両ドライバーはそれぞれ2位と4位でゴールし、フェラーリはコンストラクターズ・ランキング2位を、シューマッハとマッサはドライバーズ・ランキングでそれぞれ2位と5位の座を守った。マッサは42周目にレース最速ラップタイムとなる1分16秒648を記録した。
そのほかのブリヂストン勢では、ウィリアムズF1のマーク・ウェバーとニコ・ロズベルグが中位集団の渋滞からなかなか抜け出せず、それぞれ9位と11位でゴールした。トヨタのヤルノ・トゥルーリは10位でゴールした。MF1レーシングのティアゴ・モンテイロとスーパーアグリF1チームの佐藤琢磨は完走し、次戦モナコGPにつながる走りができたことを喜んでいることであろう。
●菅沼寿夫
ブリヂストン・モータースポーツ・テクニカル・マネージャー
「今日はかなり暑くなり、路面温度は昨日とほぼ同じ37度まで上がった。このような状況下でも我々のタイヤは安定したパフォーマンスを発揮していたが、もう少し高いグリップを出せたと思う。どのレース結果も我々に貴重なデータを与えてくれる。我々は今日の結果から多くのことを学び、今後のレースに向けて改善を進めるつもりだ。タイヤの外観は非常に良く、特に問題も起きなかった。2位と4位という結果は決して悪いものではなく、我々はこれを受け入れるつもりである。マーク・ウェバーとニコ・ロズベルグは渋滞に巻き込まれてしまい、最善を尽くしたもののポイント獲得には至らなかったことと、トヨタの両ドライバーがグリッド順位を十分に生かせなかったことは残念であったが、ティアゴ・モンテイロと佐藤琢磨がいずれも今日の厳しいレースで完走できたことは良かった。これから我々は状況の分析を行い、タイヤの観点からチームへの支援をいっそう強めることができるよう対応を検討することになる」
●ロス・ブラウン
フェラーリ テクニカル・ディレクター
「今日のレース展開は我々にとって間違いなく最悪のシナリオであった。ジャンカルロ・フィジケラが前方を走っている間、フェルナンド・アロンソに近づくことさえできなかった。そのため我々は最初のチャンスが訪れるまでその状況を維持することにした。ミハエルは何とかフィジケラを抜こうとしたが、我々には十分な速さがなかった。今日はアロンソが速さで抜き出ていたと思う。マシンとブリヂストンタイヤのパフォーマンスは良かった。しかし我々はもう少しパフォーマンスを引き出す必要がある」