F1第6戦スペインGPの公式練習3回目と予選が行われた。早朝には雨が降り、空は雲に覆われたものの、路面は、ドライコンディション。気温20度、路面温度22度、湿度64%の下で、午前11時から行われた公式練習3回目に引き続き、午後2時、気温は26度、路面温度も41度と上昇する中で予選第1ピリオドが開始された。先頭を切ってコースインしたラルフ・シューマッハーは、赤旗中断を挟んだ2度目のタイムアタックで8番手タイム。ヤルノ・トゥルーリも6番手につけて第2ピリオドへと進んだ。
第2ピリオドは、トップ10グリッドへの生き残りを賭け、僅差の激しいタイムアタック争いが繰り広げられたが、ヤルノ・トゥルーリが3番手の好タイムをマーク。ラルフ・シューマッハーも6番手で、2台が揃って、最終第3ピリオド進出を決めた。
最終第3ピリオドは、パナソニック・トヨタ・レーシングの2台共にセッション終了間際に最後のタイムアタック。6番手タイムをマークしたラルフ・シューマッハーは3列目グリッドを確保。ヤルノ・トゥルーリが7番手タイムで続き、2台共にトップ10グリッドを獲得。ポイント獲得そして表彰台を目指し、明日の決勝レースに挑む。
ラルフ・シューマッハー
「午後の予選はタフだったが、今日は良い一日となった。午前中の公式練習では、新品タイヤを使用せず、予選の最終第3ピリオドへと進むことに全力を尽くした。“TF106”は予選の全てのセッションで好調であり、全く問題はなかった。路面はやや滑りやすかったものの、特筆すべきほどではなかった。予選第3ピリオドの最後のアタックは、上手く周回が出来たが、あと1000分の1秒縮められればもう一つ上のポジションを得られたと思うと、ドライバーとしては完全に満足行くものではない。とはいえ、我々は決勝レースへ向けた戦略に自信があり、良い結果を獲得すべく全力で戦えることを期待している」
ヤルノ・トゥルーリ
「今日のパフォーマンスにはとても満足している。アンダーステアの問題を抱えており、セッション中に挙動は大きく変わった。このことは、終盤、思い通りのラップタイムをマーク出来なかったということを意味しているが、それでも我々は上位につけることが出来た。このコースは誰もが良く知っているので、皆この週末、限界での走行を続けている。我々はここカタルニア・サーキットでのテストで好結果を得ており、今日再び上位に近いポジションを得られたことで、状況は良くなっているように見える。あとは、決勝レースでどれだけのパフォーマンスを見せられるかだ。昨日我々が直面したタイヤの粒状摩耗の問題を解決すべく、全力を尽くして来た。それが明日我々の助けとなり、決勝レースで良いパフォーマンスを見せられることを望んでいる」
パスカル・バセロン
シャシー部門シニア・ゼネラル・マネージャー
「予選は予想よりも良い結果となった。午前中の公式練習では、新品タイヤを使わないという決断をしたため、午後の予選で、新たにラバーが乗った路面でどうなるかを予測するのは困難であった。我々はトップ10内に2台を入れる自信があり、実際にそう出来た。セッション終了の10秒から12秒前に両ドライバーをタイムアタックに向かわせたが、それは限界へのプッシュだった。非常に厳しい戦略であったが、全ては予定通りに進んだ。ブリヂストンタイヤは強力で、両ドライバーは非常に良い仕事をしてくれた。いくつかのライバルチームは、第3ピリオド終盤、2度アタックすることを選んだ。我々も同様の作戦を考えていたが、ラルフ・シューマッハーとヤルノ・トゥルーリの2人ともに、1度のアタックで良い結果を出してくれるという自信があった。明日の決勝レースを楽しみにしている。我々はしっかりした戦略を持っており、期待して欲しい」
新居章年
技術コーディネーション担当ディレクター
「今日も順調に走行を重ねることが出来た。予選ではラルフ・シューマッハー、ヤルノ・トゥルーリ共に非常に良い働きをしてくれ、予選6番手と7番手を確保出来た。今朝は少しタイヤに粒状化摩耗が出たが、明日はさらに路面も良くなり、問題無いと予想している。ここカタルニア・サーキットは、トヨタにとって相性の良いサーキットであり、決勝レースではミスのないレース運びをして、さらに上位を目指す」