F1第6戦スペインGPの公式練習1回目、2回目が、スペインのカタルニア・サーキットで行われた。カタルニア・サーキットは朝から雨に見舞われ、公式練習1回目の開始される午前11時の時点では、雨は止んだものの、曇り空の下、路面はまだウェット状態の、気温19度、路面温度20度、湿度71%というコンディションで開始された。
パナソニック・トヨタ・レーシングの2台は、セッション開始直後にコースインし、初期チェックの1周を走行したのみで、公式練習1回目のタイム計測はされなかった。
2時間のインターバルを経て開始された公式練習2回目は、気温は23度ながら、路面温度が39度まで上昇。ドライコンディションで各車が走り込むこととなった。前戦ヨーロッパGPでポイント圏内までポジションを上げながら無念のリタイアとなったラルフ・シューマッハーは、25周をこなし10番手タイム。ヤルノ・トゥルーリも30周を走破し、僅差の11番手タイムを刻み、明日の予選、明後日の決勝レースへと臨むこととなった。
ラルフ・シューマッハー
「今日は問題もなく、週末へのスタートとなった。“TF106”の感触も良く、トラブルなくタイヤプログラムを遂行出来た。これまで、私はここバルセロナでそれほど多くの良い結果を得てきているわけではないが、このサーキットは好きだ。このサーキットは難しく、F1カーのパフォーマンスをテストするのに非常に適している。我々の“TF106”はバランスも良く、レースでのペースも悪くないはずなので、良いパフォーマンスを見せられることを望んでいる。チームは高い期待を持っているが、今のところ、確かに我々はドライバーズ及びコンストラクターズの選手権では、わずかなポイントしか得られていない。先週のレースでは、惜しくもチャンスを逃しているだけに、今週の決勝レースでは全力でアタックし続けなくてはならない」
ヤルノ・トゥルーリ
「先週のヨーロッパGPでは、パフォーマンスを引き出すために苦戦を強いられたが、既に何が起きたのかを理解し、セットアップにおける問題点も発見できた。同じトラブルを再び繰り返すことなく、スペインGPでより良い結果を出せると確信している。我々はここカタルニア・サーキットで行った最後のテストで、非常に競争力があった。この週末、コンディションはテストの時点とは異なっている可能性が高いが、それでも自信がある。今日は通常通りの金曜日として、タイヤ比較を行った。若干タイヤ表面の粒状化摩耗に見舞われており、まだやらなくてはならないことはある。しかし、この週末全てが上手く行けば、良い結果を得られるはずだ。私は過去2年間ここで表彰台を獲得しており、確かな自信とともに日曜日の決勝レースへ臨む」
ディーター・ガス
レースおよびテストのチーフ・エンジニア
「全体的に上手く行った金曜日であった。多くの作業をこなし、“TF106”の信頼性も高く、問題を抱えることはなかった。午前中の公式練習1回目は、朝の雨の影響で、路面の状態が悪く、走らせることにあまり意味がなかったため、初期チェックの1周のみに留めた。午後の公式練習2回目セッションも、開始直後は路面が滑りやすかったが、時間が経つにつれ大きく改善されていった。両ドライバーとともに忙しく作業を進め、いくつかのタイヤに関する価値ある情報を収集した。これは、明日タイヤを選択するに当たって必要とするデータを全て得られたということを意味している。まだセットアップ面でやるべきことはあるが、週末へ向けて良いスタートを切ることが出来た」
新居章年
技術コーディネーション担当ディレクター
「午前中の公式練習1回目は、早朝からの雨が残りウェットのコンディションとなろ初期チェックのみの走行とした。午後の公式練習2回目はドライコンディションの下、ラルフ・シューマッハーもヤルノ・トゥルーリも順調に走行し、タイヤ選択のために貴重なデータとなるロングランも予定通り行えた。これから、データをしっかり解析し、明日の予選、決勝レースと上位を狙うために万全の準備を進める」