トヨタのボス、ジョン・ハウエットは、モナコで投入予定のTF106Bについて、過大な評価は避け、“飛躍的な前進が見られることはないだろう”とコメントしている。
また、ハウエットは、ヨーロッパGPについて、残念な結果に終わったが、マシンは今シーズンで1番コンペティティブだったと語った。
トヨタのドライバーは2人とも10番手以内のグリッドからスタート、決勝では、ヤルノ・トゥルーリがレース序盤に6位を走行するものの、マシンバランスに苦しんで9位に終わった。一方のラルフ・シューマッハーはスタート直後の1コーナーでタイムロス。途中、ポイント圏内を伺わせる走りを見せたものの、レース終盤にエンジントラブルでリタイアした。
ニュルブルクリンクはケルンのファクトリーからわずか1時間のところにあり、ヨーロッパGPはトヨタにとって実質的なホームGPだった。
「残念な結果だった」とハウエット。
「戦略はかなりよかった。おかげでラルフも好位置までポジションアップできた。それだけに、エンジンがダメになってがっかりだ。ラルフは1コーナーでタイムロスをし、結果的に(ルーベンス)バリチェロにつっかえることになったが、もう少しハードに攻めることができたはずだ。ヤルノはマシンバランスに苦しんだ。タイヤの最適化の問題だと思う」
「フラストレーションのたまるレースだった。しかし、視野を広げて考えてみると、シーズン開幕はレッドブルやBMWと戦っていたと思うが、いまではもっと前の方を走れるようになっている。ウイリアムズより少し速くなっていると思う。フェラーリとルノーとはまだかなりのギャップがあるので、今後もやるべきことはたくさんある」
チームは現在、モナコでデビュー予定のTF106Bの作業に懸命に取り組んでいる。しかし、ハウエットはTF106Bについて過大評価はしていない。
「空力面のアドバンテージはすべて今のマシンTF106に反映させたので、106Bの空力面でのアドバンテージは小さいかもしれない。ただ、他の点での取り組みをしてきた。主にメカニカル面でね」
「ポール・リカールでは素晴らしいテストができた。しかし、天候が不安定だったので、いささか難しいテストだった。エンジニアやドライバーによれば、かなりのポテンシャルがあるらしい。でも、私は現行車から飛躍的に進化するとは思っていない。メカニカルな点を中心に106を改良したのだ」
ハウエットはまた、GPMAの5チームは間もなくバーニー・エクレストンと合意に達するだろうと語った。
「解決に向かっているよ。なぜ急激にそういう動きが出てきたのかは分からないが、でも、とにかくそうなるだろう」