スーパーアグリF1チームは10日、リリースを発表し、サンマリノGPまでセカンドドライバーを務めた井出有治に関して、FIAからスーパーライセンスを取り消す旨の通告を受けたことを明らかにした。
リリースによれば、スーパーライセンス取り消しの通告はFIAからチームに伝わったもので、これにより、井出は今年のF1世界選手権にドライバーとして出場することができなくなってしまった。
チームはこの件に関して、オフィシャルサイト上で経緯に関して説明を行っている。それによると、FIAからはまず、スーパーライセンス取り消しを含めた審議が行われている通知があり、その前にレースドライバーから外してはどうかという勧告があったという。チームはライセンス取り消しという最悪の事態を避けるため、断腸の思いで井出をヨーロッパGPで走らせない決断を下したとのことだが、にもかかわらず、今回の通告が下されてしまった。この件について鈴木亜久里チーム代表は「残念でなりません」とのコメントを残している。
今後のスーパーアグリのセカンドドライバーについては、ヨーロッパGPでもセカンドドライバーを務めたフランク・モンタニーがスペインGPとモナコGPに参戦するとのことだが、それ以降については「多くの関係者と議論を重ねていく」としている。チームは「オールジャパンでの挑戦」を続けていくとの姿勢を示しており、今後新たに日本人ドライバーがチームに加わる可能性もある。
ヨーロッパGP期間中から、各メディアで決定的と言われてきた井出のスーパーライセンス剥奪問題。サンマリノGPでのクリスチャン・アルバースとの接触以来、前代未聞とも言えるFIAからのドライバー交代の勧告に始まり、ついに今回、スーパーライセンス剥奪という異例の結果となってしまった。厳しい条件の中で奮戦していた井出だけに、今回の結果は本当に残念なもの。井出のスーパーライセンス再取得の可能性は残されており、チームは井出がF1ドライバーとして復帰するチャンスを今後も探っていくという。