ヨーロッパGPの週末から、スーパーアグリの井出有治がスーパーライセンスを剥奪されるという噂が出ている。本当に井出のスーパーライセンスは剥奪されてしまうのだろうか? これまでの情報をまとめてみた。
ヨーロッパGP開幕直前に、FIAからの通達に従う形でレギュラードライバーの座を奪われてしまった井出。この時点では単純にモンタニーとの交代で、その後井出がテストで走行距離を重ねることによってレギュラードライバーへの復帰を果たすものと思われた。
ところがレースウイークに入って突然出てきたのが、井出のライセンス剥奪という情報。いくつかのメディアが報じたところによれば、先週行われたF1委員会でその件について話し合いがもたれ、井出のライセンス剥奪がすでに決定しているとも。もし事実ならば、その決定は井出のライセンス発行元である日本自動車連盟(JAF)に伝えられ、そこから井出本人に伝わることになると見込まれている。
もし井出のライセンスが剥奪されてしまった場合、井出が再びスーパーアグリのシートに戻るには、テストで十分な距離を走り、なおかつスーパーライセンス発行のための承認を得なければならない。これまでの4レースで日本人から見れば過剰なほどの「危険なドライバー」というレッテルを貼られてしまった井出にとって、これは大きなハードルとなってしまうだろう。もちろん、限られた予算の中でF1を戦うスーパーアグリにとって、テストを実施するのは簡単なことではない。
そもそも、サンマリノGPでのアクシデントにしても井出にペナルティが出たわけではないし、本当に井出が他のF1ドライバーから危険な新人として認識されているのかには疑問が残る。
“FIAのアドバイスに従う”という通常ありえない形でのドライバー変更など、水面下でなんらかの政治的配慮が働いて今回の騒動に繋がったと考えるのが妥当ではないだろうか。
そしてそれが、チームを運営する鈴木亜久里氏にもどうにもできないほどの力だったとしたら……。
このまま井出は、苦労の末つかんだF1のシートを失ってしまうのだろうか?発表は9日、もしくはそれ以降と言われている。