ミシュランのF1ディレクター、ニック・シュロックによれば、ヨーロッパGPは特に厳しい週末になるかもしれないという。この時期のニュルブルクリンク特有の予想しにくい天候のせいだ。
シュロックは、雨は心配していないと付け加え、ウエットコンディションでもうまくやれるという証拠として、オーストラリアでのパフォーマンスを例に挙げた。しかし、雨によってタイヤチョイスが難しくなり、ある意味でこのイベントが賭けのようなものになってしまうかもしれないと述べた。
「例年、このコースではタイヤコンパウンドの選択が難しい。天候が変わりやすい傾向があるからだ。そしてそれが、今回も重大な要因になるかもしれない。このレースは、昨シーズンより3週間も早く行われるからだ」と彼は語った。
「結果として、タイヤはかなり幅広い範囲に対応する必要がある。すなわち、イモラのように、天気予報が100%不正確だったとしても、タイヤは速くてコンスタントな性能を出さなくてはならないのだ。過去の例からもわかるように、コンディションは、凍りつくような寒さもありうるし、それでいて30度近くなることもあるのだ」
「雨の可能性については、何の心配もない。我々のパートナーがオーストラリアGPのフリー走行で記録したラップタイムから、ミシュランがその領域でどれだけ進歩したかが示された」
「天候に関する困難は別として、ニュルブルクリンクは特に技術的に要求の多いサーキットではないし、アスファルトの摩耗も特別大きくはない。とはいえ、タイヤを正しく準備するように気をつける必要はある。このサーキットはグレイニングを引き起こす傾向があるからだ。イモラよりも追い越しの可能性があるし、ふさわしいタイヤを開発する際には、コーナーとストレートの組み合わせをかなり慎重に分析した」
「ニュルブルクリンクのために選んだタイヤは、かなりのハードワークによって生まれたものだ。今季これまでに、我々のパートナーたちは、テストでおよそ12万キロを走破している。そしてその一部がタイヤ開発のために費やされた」
イモラでの最近のレースについては、ミハエル・シューマッハーがブリヂストンを履くフェラーリで優勝したことで、ミシュランの連勝はストップしたが、シュロックはそれでも自分たちのタイヤのパフォーマンスに満足している。
「技術的な点に関しては、イモラでの前戦はとても励まされるものだったし、ミシュランとそのパートナーたちが2005年の同レースと較べてかなりの進歩をとげたことがはっきり示された」と彼は付け加えた。
「我々のタイヤは1周目のパフォーマンスが優れており、要求の厳しいコースでコンスタントな性能を出すことについて大きく進歩した。こうした有望な成果は、ニュルブルクリンクでヨーロッパラウンドが本番を迎えていくにあたり、我々のデータベースを増強してくれている」