今週末のヨーロッパGPに向けてミッドランドMF1は自信を深めているようだ。チームの主要メンバーがニュルブルクリンクでの勝利がどんなものかを知っているためだ。
先のシルバーストン・テストでの好結果も同様に自信への要因となっているMF1。改善されたスピードを活かして5.148kmのニュルブルクリンク・サーキットでいい走りを披露したいと願う。
同サーキットではクリスチャン・アルバースと新たなリザーブドライバーであるエイドリアン・スーティルが2003年DTMと2005年F3ユーロシリーズにて、また、現在はMF1のスポーティング・リレーションズ・マネージャーを務めるジョニー・ハーバートが1999年の雨のグランプリにて、それぞれ優勝を経験している。
「ここで僕が勝ったときのことをいまだにみんなに言われるよ。弱小チームだったから、どれだけ驚いたかってね」と、スチュワート・グランプリの唯一のF1勝利について語るハーバート。
「今のミッドランドと当時は同じような状況だった。たびたびツキに見放され、自分達のポテンシャルを十分に発揮できない状態だ」
「だが、それも仕事への決意の固さと考え方の問題だ。自分たちを信じることを諦めたことは一度もなかったし、改善のために頑張り続けた。まさに今のミッドランド・チームの誰もがそうであるようにね。願わくば今週末も同じようにツキが逆転して、成功というものを少しでも味わえればと思う」
アルバースは先のサンマリノGPでは1周目でレースを終わる結果になってしまったが、それでもニュルブルクリンクではミッドランドがさらなる一歩を進められると期待しているという。シルバーストンでの3日間の集中テストで新しいタイヤのコンパウンドと技術性能の向上を測ることができたためだ。
「大事故をやってしまったあとでまた車に乗れてうれしい。今度こそはいいスタートができるよう、そしていいポジションに上がれるよう願っている」とアルバース。
「ニュルブルクリンクはすごくよく知っている。F3とDTMで走っていた頃にかなりいい成績を残しているからね。それに今年はベルギーGPがなくなってしまったから、オランダにもっとも近いここでのレースが事実上ぼくのホームレースになる」
「きっとたくさんのオランダのファンが来てくれると思う。いつも彼らのおかげで自信がもてるし、グランドスタンドのオレンジ色の群衆を見ると、頑張ろうという気持ちになる。いつも以上のやる気が出て、ベストを尽くしてファンやハードワークを続けてくれるチームのみんなに何かお返しをしたいと思うんだ。僕にとってファンの応援はとても大切だから、みんなのために最大限の努力を払わなければいけないと思っている」
MF1レーシングはドイツ西部の絵のように美しい街アイフェルでの当レースで、ここがホームGPとなるサードリザーブドライバーのスーティルにF1デビューの機会を与えている。
「初めての公式フライデープラクティスをドイツで走れるなんてとてもうれしい」とF3ユーロシリーズで昨年2位に入り、今年は全日本F3で首位争いをするスーティル。
「ニュルブルクリンクは大好きだし、去年F3で優勝していい思い出もある。強力な走りでできる限りチームに貢献できればと願っている」