日曜日のイモラで5回転してグラベルに突っ込んだクリスチャン・アルバースは、自分がそもそも井出有治にヒットされるようなポジションにいたのは、予選のパフォーマンスが悪かったせいだ、と語った。
ミッドランドMF1チームがヨーロッパラウンド開幕前を前に、シルバーストン・テストで達成した進歩は、アルバースとティアゴ・モンテイロがサンマリノGPでコースを走り出した際に、はっきりと確認された。両ドライバーとも、フリー走行では通常より上のポジションに位置していたため、グリッド後方はいつもと違った順番になるのではないかと思われた。
ところが、両ドライバーとも予選の第1セッションでノックアウトされ、その希望は打ち砕かれた。特にアルバースは、上に行くチャンスを逃してしまったことを残念がっている。
「僕は週末を通じてずっと強かったが、金曜日に電気系のトラブルがあり、それがいったい何だったのかはっきりとは分からなかったんだ」とアルバースは語る。「一度だけそのトラブルがあったが、なくなってしまった」
「予選では、土曜の午前中よりも速く走れたはずだったが、チャンスがつかめなかった。おかげで、普通の、そこそこのラップタイムも出せなかったんだ。ニュータイヤを履いた、2度目の計測ラップで、1分27秒なんていう遅いタイムを出した。その前の最初の計測ラップは、エンジンのソフトウエアがパワーを抑えてしまってダメだった。8本のシリンダーのうち7本しか使っていなかったんだ」
「そんなことがなければ、第2セッションに進めたはずだと思うし、スーパーアグリの2台とあんな近くを走ることはなかっただろう」
また、不本意な予選でのパフォーマンスのせいで、チームは燃料を重くする作戦を採ることになったため、もともとあったM16のスタート性能に関する懸念にそれが加わり、アルバースは井出のスーパーアグリのそばを走ることになってしまった。しかしアルバースは、この件についての話はもうおしまいにしたいようだ。
「スーパーアグリの問題は、彼らがスタートで僕らの前に行きたいあまり、リスクを冒しすぎるということだ」と彼は語った。
「井出はいきなり僕の後ろに突っ込んできた。でも僕にとっては、あれはただのレースアクシデントだ。他の誰もが、あれはちょっとバカげた事故だと思ったみたいだが、僕はその話に関わりたくない」
事故が激しかったために、メディアに何度も報道されることになり、アルバースは、後方で走っていたにもかかわらず注目されたことを面白がっている。
「何も予期できないまま、突然回転し始めたんだ。でも、頭には何も浮かばなかったよ。すべてがあまりにもあっという間に起こって、すぐに終わってしまった」と彼は思い出して語った。
「ああいったクラッシュを経験したわけだが、僕は大丈夫だよ。警戒感を持ち続けられるし、F1がどれほど安全かをまた思い出させてくれたからね。だから僕はまた戦いに戻って、もっと速く、もっと限界に近づけるように挑戦したいと思うだけさ」
「何回転かする事故に遭ったら、誰もが僕の話を聞きたがるんだけど、これはすごく変な感じだね。僕がこんなに注目を集めたのは、2003年と2004年にDTMで活躍していたとき以来だよ……」