マレーシアGP予選で、Honda Racing F1 Teamのジェンソン・バトンは、2番手タイムを獲得。明日の決勝を最前列からスタートする。一方、チームメイトのルーベンス・バリチェロは、12番手タイム。しかし午前中のフリー走行後にTカー(サードカー、T:temporary)に乗り換えており、エンジン交換による10番降格のペナルティで、後方グリッドからのスタートとなる。
前日以上に厳しい暑さに見舞われた、2日目のセパン・サーキット。午前11時の時点で、気温はすでに35℃に達した。午前のフリー走行では、バトンこそ終盤4番手のタイムを出したものの、バリチェロは15番手とタイムが伸びなかった。セッション後、Tカーに乗り換えて、予選に臨むことになった。
午後2時。予選開始時の気温は37℃。路面温度は午前中より10℃近く高い、49℃に上昇した。これがTカーでの走り初めとなるバリチェロは、最初の15分間で6周を走行。14番手で第2セッションへと進んだ。一方、バトンは、第1セッションで4番手だった。
次の15分間。バトンは今回の予選最速となる1分33秒527のタイムを出し、トップで最終セッションへと進む。一方のバリチェロは何度もアタックを試みたものの、12番手のタイムにとどまった。Tカーに乗り換え、エンジン交換していることから、10番降格のペナルティ。
レーススタート時の燃料を積んで走る、最終予選。前半は燃料を消費しながら、淡々とした周回が続く。そして残り10分。バトンがニュータイヤでコースに向かう。1分34秒504。さらに終了2分前に再度アタックを行い、1分33秒986までタイムを縮める。0.1秒ポールポジションには及ばなかったものの、開幕2戦目にしてフロントローを獲得した。
■ジェンソン・バトン
「フロントロー獲得のためにチームは素晴らしい仕事をしてくれたよ。感謝している。昨日は良いセットアップを見きわめるために悩んだので、少し厳しいかなと思っていたんだ。でも昨夜みんながハードワークをこなしてくれたおかげで、明日に期待が持てそうだよ。結果はお楽しみだね。ここではいつもタフなレースになるけど、気持ちはとても前向きだよ」
■ルーベンス・バリチェロ
「とても厳しい一日だった。フリープラクティスの時にセットアップに納得がいかず、その上エンジントラブルによるエンジン交換が必要になってしまった。10グリッド降格はとても残念だけど、一緒にシャシーも替えることになったので、明日のレースで少しでもチャンスが生まれれば嬉しいね。後方グリッドからのスタートなので、明日はタフなレースになるけど、全力を尽くして頑張りたい」
■ジル・ド・フェラン
Honda Racing F1 Team スポーティングディレクター
「ジェンソンの予選セッションには大満足だ。フロントローからのスタートなので、明日に期待が持てる。このパフォーマンスは本当にチームの努力のおかげだ。ジェンソンが素晴らしいドライブを見せたのはもちろんのこと、エンジニアたちも昨日に比べてマシンを劇的に良くしてくれた。一方、ルーベンスにとっては厳しい一日になってしまった。フリー走行の終盤で少々問題が発生したため、予選前にエンジン交換が必要になってしまい、マシンのセットアップを彼の好みに合わせることができなかった。ルーベンスとは今後も作業を続ける必要があるが、それでも良いレースを見せてくれると信じている」
■中本修平
Honda Racing F1 Team シニアアドバイザー
ホンダ・レーシング・ディベロップメント エンジニアリングディレクター
「大変な一日でしたが、ジェンソンがフロントローを獲得できて、とても嬉しく思っています。それを可能にしてくれたチームに感謝しています。ルーベンスについては、今朝のフリー走行終盤でパワーダウンを感じたようです。その後問題が見つかったので、エンジン交換を決めたのですが、予選前に十分なセットアップを行うことができませんでした。彼には申し訳なく思っていますし、明日のレースでは両ドライバーに可能な限りベストのチャンスを与えられるよう、最善を尽くします」