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「優れたドライバビリティの実現はずっと難しくなる」

2006年3月16日

 部品の質量を減らせば、“性質の悪い”振動は軽減されるはずだ。だが、賢明にもこの新しいレギュレーションは、すぐにエキゾチックな(そして高価な)超軽量素材に手を出したがるという、チーム側にとっては自然な誘惑をつぼみのうちに摘み取っている。
 エンジニアたちは、レギュレーションで定められているとおり、コンベンショナルなチタン合金やアルミ合金を使ってエンジンを作り上げた。新しいV8エンジンは、V10よりシリンダーが2つ少ないにもかかわらず、2005年仕様のエンジンより重くなければならない。今シーズン用のパワープラントは、重量が95kgを下回ってはいけないのだ。
 これはエアフィルターを含む吸気システム、フューエルレールとインジェクター、イグニッションコイル、センサー類と配線、オルタネーター、ウォーターポンプとオイルポンプを含めた重量だ。冷却水やオイル、エキゾーストマニフォールド、遮熱シールド、オイルタンク、アキュムレーター(蓄圧器)、熱交換器、そしてハイドロリックポンプは含まれない。

 これに加えて、新しいレギュレーションは、エンジンの重心位置がオイルサンプの下端から少なくとも165mm上方になければならないと規定している。これまでエンジンのエキスパートたちは、マシンのハンドリングの向上に役立てるため、10気筒エンジンの重心を極限まで下げようとしてきたからだ。
 また、V8の重心は前後方向にも左右方向にもエンジンの幾何学的中心線上に位置していなければならない(プラスマイナス50mmの公差が認められる)。このため、技術委員たちにとっては、単純に重量を計測するだけではそのエンジンがレギュレーションに合致しているかどうかを確認できないことになる。これからはルールが守られているかどうかを確かめるために、2つのスケールを使って重量を計測し、てこの原理によってその重心位置を計算する必要があるわけだ。


 これまで各メーカーの極秘事項だったシリンダーボアのサイズは、最大98mmまでに制限される。さらにシリンダー間のピッチもルールブックで規定されている(106.5mmプラスマイナス0.2mm)。そして、クランクシャフトの中心軸は、リファレンスプレーンの上方58mmにある面より低いところにあってはならない。
 新しいレギュレーションにおけるもうひとつの重要な変更点は、可変吸気システムの禁止だ。昨年まで許可されていた“可変トランペット”とも呼ばれるこの種のシステムは、エンジンのトルク特性を最適化するために用いられていた。
 吸気ダクトの長さが固定されたことで、エンジンの優れたドライバビリティの実現は以前よりずっと難しくなるだろう。チーム側としては、最大出力と優れたドライバビリティの最適な妥協点を探し出さなければならなくなるからだ。
 吸気管長の最良の妥協点がどこにあるかは、さまざまなファクターによって変わってくる。たとえば、コースのレイアウトやその日の天候にも左右されるのだ。モンツァ、インディアナポリス、あるいはスパのように、ストレートが長くピークパワーが重視されるサーキットと、ブダペストやモナコのようにツイスティで、パワーよりもドライバビリティを優先すべきグランプリコースとでは、チームが選択する吸気管の長さは違ってくる。
 また、ウエットコンディションになったときも、ドライビリティを重視した選択が求められる。レギュレーションの定義によればエアインテークはエンジンの一部であり、したがって95kgの最低重量に含まれるが、予選開始までは仕様の変更が許されている。

 この可変吸気システムと共に、新レギュレーションでは可変排気システムと可変バルブ制御システムも“ブラックリスト”に載せられた。この他、電気および電子部品へ供給される電源は最高17ボルトまでに制限され、燃料ポンプも機械式でなければならなくなった。
 スロットルバルブシステムの作動に用いることができるアクチュエーターも1個だけとなる。そして、燃料タンク内の電気式補助ポンプを唯一の例外として、すべての補機類はエンジン本体によって直接的かつ機械的に駆動されなければならないと定められている。




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