予選システムに関して、これまで多くのドライバーやチーム、そしてファンから批判が集まっていたが、F1はついに、それを解決するシステムを見いだせたかもしれない。新しい「ノックアウト方式」のシステムが、チーム関係者から多くの賛同を得たのだ。
2002年以来久々に2台以上が一緒に走行した今回の予選セッションは、システムが複雑なのではと、多くのドライバーを心配させたが、様々な要因が重なったこともあって、近年で最もエキサイティングといえるものとなった。各チームは3回のセッションを戦術的にうまく利用するために頭をひねっていたが、キミ・ライコネンのクラッシュによる赤旗で、多くの戦略の欠陥があらわになった。残り時間が4分という大荒れの事態は、映像的にかなりの見物となった。予選セッションで、いっぺんに18台がコース上を走行するというのは、これまでは見られなかったことだからだ。
実際、多くのドライバーやチームボスらは、新システムが導入早々に効果を現したことを喜んでおり、ファンには素晴らしい見物になったと考えている。
「とてもエキサイティングだったと思うよ」と、予選3位を獲得したジェンソン・バトンは語った。
「見ていたファンの人たちみんなにとっても同じはずだよ。僕はノンストップだったからね。僕はガレージに入ってはすぐ出る、という感じだった。特に、最初のセッションでは、ライコネンのトラブルがあったからだよ。おかげで、ものすごく忙しいセッションになったけれど、とても楽しかった」
他のドライバーたちも、同じようにこのシステムを賞賛している。予選15位のビタントニオ・リウッツィも、賛意を明らかにした。
「僕はこの予選フォーマットは本当に好きだ。今日はエキサイティングになったよ」
また新システムを特に賞賛しているのがBMWザウバーで、チーム代表のマリオ・タイセンは、ファンにもドライバーにも評判のよい予選システムをついに見つけ出せたと考えている。
「これは、過去最高の予選フォーマットだ。まず2度のノックアウト・ラウンドがあって、それから最終セッションがあり、そこではすべてがもう一度やり直しになる。本当に素晴らしい、緊迫したアクションの詰まった1時間だった。これこそまさに、近年欠けていたことだよ」
とはいえ、ドライバー全員がこの予選を完全に支持しているわけではない。マーク・ウエーバーは、予選7位を獲得したにもかかわらず、オーガナイズを批判している。
「予選の新しいフォーマットは、オーガナイズという点では、ドライバーもチームもちょっと混乱する」とウエーバー。
「でも、テレビではどう見えたのか、見てみなくちゃならないけどね」
いずれにせよ、全体としては好意的な意見が集まっている。多くのチームは、次のマレーシアでは、もっと穏やかな状況にしようとするかもしれないが。