2006シーズン開幕戦となったバーレーンGP。初採用の“ノックアウト方式”で迎えた予選は、ミハエル・シューマッハーとフェリペ・マッサというフェラーリの1-2となり、跳ね馬復活をアピールした。3番手にはホンダのジェンソン・バトン。好調だったルノーの2台は、フェルナンド・アロンソが4番手、ジャンカルロ・フィジケラは9番手に留まった。
●セッション1(15分間)
セッション開始と同時に先陣を切ってコースインしたのは井出有治。午前中に行われたフリー走行からわずか1時間のインターバルだが、既にコース上には砂が乗っており、上位陣はセッション後半までは動きを見せずピットに待機した。
ところが残り5分を切ったところでキミ・ライコネンがクラッシュし、セッションは赤旗中断となった。この時点でタイムを出していたのは10台のみ。ルノーの2台はコースインすらしていなかった。
当然のごとく、残り4分34秒で再開したときには、全車一斉にコースイン。コース上は大混雑となった。この一発勝負の予選でトップタイムをマークしたのがアロンソ。2番手にバトン、3番手にフィジケラ。そしてルーキーのニコ・ロズベルグが4番手(フィジケラと僅か100分の1秒差)と大健闘だ。
一方、ラルフ・シューマッハー、クリスチャン・アルバース、ティアゴ・モンテイロ、井出有治、佐藤琢磨、そしてライコネンが“バンプアウト”された。
●セッション2(15分間)
わずか5分間のインターバルで行われたセッション2でも、ルノー勢はラスト5分までピットで待機。ここでもアロンソが1分31秒215のトップタイム。2番手はファン‐パブロ・モントーヤ、3番手フィジケラ、4番手ニック・ハイドフェルドまでが1分31秒台に入れた。
5、6番手にはマッサ、ミハエルのフェラーリ勢。終盤まで12番手だったバトンも最後のアタックでシューマッハーと同タイムの1分32秒025をマークして7番手に浮上した。8番手にクリスチャン・クリエン、9番手にマーク・ウェバー、そしてルーベンス・バリチェロが辛くも10番手。
このセッションでは11番手につけたロズベルグ以下がバンプアウト。デビッド・クルサード、ヤルノ・トゥルーリ、ビタントニオ・リウィッツィ、スコット・スピードの6名だ。
●セッション3(20分間)
20分間で行われるセッション3では、10台のマシンは決勝スタート時と同量の燃料を積んで走り出す。当然、ガソリンを消費して軽い状態でアタックするため、セッション1、2とは対照的に序盤から積極的に周回を重ねることになった。
とはいえ、本格的なタイムアタックは残り10分を切ってから。早い動きを見せたのがホンダとフェラーリで、まずはミハエルが1分31秒595でトップ。これにバトンとバリチェロが続いた。終盤の混雑を避けての作戦は功を奏し、2度目のアタックでミハエルが1分31秒431にタイムアップ。マッサも100分の4秒差で2番手につけ、フェラーリ1-2。3番手にはやはり2回目のアタックで31秒549をマークしたバトンがつけている。
セッション1、2とトップの座を守っていたアロンソは、チェッカー間際に4番手に滑り込む。5番手にモントーヤ、6番手バリチェロ。以下、ウェバー、クリエン、フィジケラ、そしてハイドフェルドというオーダーとなった。
なお、ミハエルはこれで通算65回のポール獲得。アイルトン・セナの最多記録と並ぶことに。
「マシンがいいパッケージに仕上がった。最初の予選は赤旗のために時間がなくなり、リスキーな展開となった。次の予選では早めにタイムを出し、それがうまくいったので、最後の予選も同じようにした」とミハエル。
またバトンは「新方式の予選はおもしろいね。クリアラップを取るのが難しいが、うちにとってはいい方向になった」と予選を振り返った。