2.4リッターV8エンジンの導入、レース中のタイヤ交換復活、そして、新方式の予選導入……。こうしたレギュレーション変更がタイヤ戦争にどういう影響を与えるのか?ブリヂストンの菅沼寿夫テクニカル・マネージャーに語ってもらった。
「エンジンがV8になり、パワーが下がることでタイヤの負担がやや軽くなるかと思ったのですが、実際にはそうでもなく、磨耗に関しても2004年に近いレベル。コーナーリングスピードが上がった影響が大きいですね。実際、ストレートでのスピードは遅くなっているんですが、その分、ブレーキングポイントを奥に取る方向にドライビングスタイルが変化し、それがコーナーリングスピードの向上に繋がっている」と菅沼マネージャー。
「とはいえ、レース中のタイヤ交換が可能になったので、昨年よりもソフトなコンパウンドを使うことができるようになりましたから、2004年のデータはかなり参考になると思います。コンパウンド的には2004年と同等か、場合によってはもう1段ソフトなものが使える場合もあるかも……」とのこと。
また、新しい方式の予選に関しては、1イベント7セットのタイヤをどう使うかがひとつのポイントになると指摘。
「トップ10クオリファイではみんなニュータイヤを使いたいでしょうから、出来るだけ周回して燃料を減らし、最後に新品タイヤに履き替えてタイムアタックという流れになるはず。バーレーンだと1周、1分31秒前後だから、最初の10分で6〜7ラップ。その後、タイヤ交換してタイムアタックという感じでしょうか?また、レースのスタートにも新品タイヤを使い、チームの作戦にもよりますが、その後のスティントでは予選で使ったタイヤをどこかで使うことになるはずです……」という。
ちなみに、レース戦略に関しては「基本的に2004年と大きく変わらないのでは……。このバーレーンなら基本は2ストップ、3ストップも場合によってはアリですね」とのことだった。
(Ken Kawakita)