今週末、今年のF1世界選手権がバーレーンにて開幕する。ルノーの現チャンピオン、フェルナンド・アロンソは、この初戦に向けてリラックスしつつも、目標をタイトル防衛にしっかりと定めている。
アロンソは昨年、7戦で優勝、0ポイントで終わった3戦のうち自らのミスでポイント獲得に失敗したのは1戦のみという素晴らしいシーズンを送り、初の選手権タイトルを手にした。そして、その調子をルノーの新車R26でも維持することを目標に、2006年へと突入する。
「チームはR26を良いマシンに仕上げてくれたよ。すごくコンペティティブに感じるし、初戦に向けていつでも大量ポイントを狙えるような状態だ」とアロンソ。
「やるべきことは、やり終えていると思う。マシンはすぐにでも戦える。いろんなタイプのサーキット、あらゆる状況下で周回を重ねてきたからね。今こそ、第1戦で他チームを相手に自分たちを評価するチャンスだ。できる限りのことをこなしてきたからこそ、リラックスして開幕を迎えられる」
「冬季テストで目立ったのは、ホンダ、フェラーリ、マクラーレン、そしてルノーの4チームだった。序盤数戦では要チェックだね。確かにルノーが世界チャンピオンだから、どのチームも僕らを倒そうとしてくるだろう。でも、優れた仕事をしてきたという自信はある」
シーズン前のテスト期間中最速だったマシン、そのノーズ部分には“1”という数字が輝き、アロンソは倒すべきドライバーと見なされて今シーズンをスタートする。しかし当人は、そういった事実のためにプレッシャーがかかっているようには感じていないと言い添えた。
「余分なプレッシャーをかけられているとは思わないけど、マシンに1番が飾られることについては、すごく誇らしく思う」
「これがモータースポーツ全ての中で達成できる最高点であり、誰もがレースキャリアの中で夢見る瞬間のひとつなんだ。だからこそ、1番をつけたマシンを有してバーレーン入りすることに興奮しているし、今年という1年を最大限に楽めるようにするつもりだ」
「選手権に勝利するのはかなり難しくて、そのチャンスを手にするためには、自分の周囲にあらゆる物事が揃っていなくてはならない。去年は、1勝して表彰台のレギュラー組になることを夢見ながら開幕を迎えたけど、タイトル獲得を成し遂げた。今年はR26がコンペティティブなマシンだと分かっているから、僕の目標はもう一度タイトルを手にすることだ」
ジャンカルロ・フィジケラは、新しいシーズンに向け、他のドライバー同様、様々な変更点に順応していかなくてはならないだろう。しかしフィジケラは、それらの変更に見事に適応しているルノーは、好位置から開幕を迎えられそうだと述べた。
「言うまでもなく、大きな変更点がいくつかある。V10からV8になって、およそ200馬力を失った。すぐに分かるような違いだよ」とフィジケラ。
「V8エンジンについてはチームが素晴らしい仕事を成し遂げた。パワーも操縦性もいい。シャシーの面でもかなり前進しているし、ミシュランタイヤについてもそうだ。こういった部分は、去年のマシンとほぼ同じラップタイムが出せていることからも分かる」
「去年のマシンはドライバーにとってすごく快適なクルマだったけど、R26もそうだ。実のところ、以前よりも満足しているんだ。リヤがブレーキング時やコーナーの途中でより安定し、トラクションも向上したからね。そのおかげで自分が望むようにドライブできているし、さらに自信を深められている」
「(シーズン前の)テストでホンダが相当に強力だと分かったし、マクラーレンもかなり良くなってきた。フェラーリとはあまり一緒に走っていないからよく分からないけど、ルノーは間違いなくそういった優勝候補の一員だ」