冬季テストで圧倒的なパフォーマンスを示したF1世界チャンピオンのルノーは、バーレーンでの開幕戦を前にして、慎重な態度ながらも、タイトル防衛に対し自信をのぞかせている。
昨年は開幕戦から4連勝を飾り、多くの人が今年も同様の勢いで好成績を挙げるのではないかと予想している。しかし、シャシー・テクニカル・ディレクターのボブ・ベルは、冬季の開発作業の大変さを強調、タイトル防衛に挑む今シーズンの予想は避けている。
「エンジニアリング作業も大変だったし、それにロジスティクス面でも非常に過酷な冬を過ごした」ベルはチームのオフィシャルサイトでそう語っている。
「ニューマシンの開発のために課されたプログラムは非常にタイトなものだった。クリスマス前に完成させなければならなかったからね。それから、かなり早い時期から2台のシャシーを走らせる必要があった。だが冬季テストでの強力なパフォーマンスは我々みんなに高いモチベーションをもたらしてくれた。冬の集中テストを行って初めて我々は選手権を無事防衛できるチャンスが大きいと信じることができたんだ」
ライバルチームと比較して、彼らはV8エンジンのデビューを遅らせるというリスクのある手段を選択した。そのためスピードの向上については他チームより遅れをとるのではないかと思われたが、テスト結果はその憶測を吹き飛ばすものとなった。
「冬季の開発作業に満足している」と、エンジン・テクニカル・ディレクターのロブ・ホワイトはコメントする。
「ダイノテストの時点からV8のパフォーマンスには好印象を抱いていたが、テストではそのことが実証された」
「十分に準備を施して最初のトラックテストに望んだ。だからエンジンをマシンに搭載した状態でのテストでも、それほど多くの予想外の問題点は現れなかった。暫定シャシーに搭載して早い時期からトラックを走らせるよりも、実際の2006年仕様のマシンにエンジンを搭載して走らせるという選択肢が、結果として成功だったということだ」
フェルナンド・アロンソとジャンカルロ・フィジケラはともに、昨年最終戦の中国ラウンドからここまでの間に果たした進歩に満足している。
「チームは、必要なことはすべて行ったと思う」と世界チャンピオンのアロンソは語る。
「レースに向けて、マシンの準備は整っている。さまざまなタイプのサーキットといろんな条件の下でかなりの周回数をこなしてきたからね。開幕戦では、自分たちと他のチームを比べることができる。僕たちはできる限りのことはやった。だからリラックスしてシーズン開幕を迎えられるよ」
「モチベーションはすごく高まっている」とフィジケラ。
「世界チャンピオンであるルノーのような偉大なチームにいられて心から嬉しく思うよ。また、今年ドライブするマシンはとても速いということも分かっている。目標は選手権を勝ち取るために戦うこと。それは可能だと思っている」