例年クリスマスから年末年始にかけての時期はニュースや発表の数が減るものだが、F1に関するウワサ話は多少ペースダウンしながらも、止まることなく動き続けている。
そんな中で急浮上してきたのが、2007年にフェルナンド・アロンソがマクラーレンへ移籍するのに合わせて、トヨタがキミ・ライコネンの獲得に興味を示しているとの説だ。
12カ月後に現在のドライバーのどちらがアロンソにシートを譲ることになるのか、マクラーレン側はまだ明らかにしていないが、ライコネンに関してはミハエル・シューマッハーのチームメイトとして、あるいは彼に代わる新しいエースとして、すでにフェラーリに加わる契約を交わしたとも言われている。しかし、ウワサによれば、このイス取りゲームからはじき出されるのは、どうやら別のチームにいるもうひとりの‘シューマッハー’らしい。
ドイツのビルト・アム・ソンタグ紙を始めとする複数のメディアによると、2007年のライコネンの動向によって立場が危うくなるのは、ラルフ・シューマッハーかもしれないという。トヨタは世界タイトル獲得に向けて、ビッグネームをエースの座に据えることを望んでいる。マクラーレンと同様、トヨタもラルフとチームメイトのヤルノ・トゥルーリのどちらが来季末でチームを去ることになるか、公には名指ししていない。だが、トヨタにとって過去最高のシーズンとなった2005年、より優れたパフォーマンスを見せたのはトゥルーリの方だった。
報道によれば、トヨタのチームボス冨田務は、ここ何年かずっとフェラーリと“相思相愛”と言われてきたライコネンを振り向かせるために、総額1億ユーロ(約140億円)の5年契約をオファーしたという。トヨタはF1でも最大規模の予算を持つとされており、ライコネンのこのレベルのサラリーを支払うことに問題はないはずだ。しかし、彼をケルンへ呼び寄せるにあたっては、着実に進歩はしているものの、今のところミッドフィールドランナーでしかないチームのイメージが障害になるかもしれない。