レッドブル・レーシングチーム代表、クリスチャン・ホーナーは、2007年からのフェルナンド・アロンソのマクラーレン移籍がきっかけとなって、2006年中に翌シーズンをにらんだドライバー大移動が発生すると見ており、それがどのようになるかが楽しみであると語っている。
ワールドチャンピオンのアロンソがルノーの最大のライバルであるマクラーレンへ移籍することになり、F1界をびっくりさせたが、ホーナーは、アロンソの移籍によってかつてなかったようなドライバーの大変動が起こる可能性があることを示唆した。
ルノーが2007年末にF1から撤退しない場合、アロンソの抜けたシートを埋めると見られているのは目下、2005年にホーナー率いるアーデン・インターナショナルのドライバーを務めたヘイキ・コバライネンだ。一方、マーク・ウエーバーがアロンソの後釜を務めるというウワサはないものの、フラビオ・ブリアトーレとのパイプからジャンカルロ・フィジケラに代わってルノー入りする可能性がある。
キミ・ライコネンは来シーズン限りでマクラーレンとの契約が切れるが、僚友のファン-パブロ・モントーヤも同時期に契約が切れるため、ライコネンとマクラーレンとの関係が、周囲が考えている以上に安定したものであるのなら、モントーヤがマクラーレンを離れ、その後釜にアロンソが座ることもあり得る。
ミハエル・シューマッハーについては、来シーズン終了とともに引退が囁かれているが、仮にそうなれば、ライコネンがフェラーリへ移籍するかもしれない。一方、来季からミハエルとコンビを組むフェリペ・マッサは、フェラーリと1年契約しか結んでいないため、来シーズン終了後に再び、別のチームに移籍する可能性もある。
ホーナー率いるレッドブルのエース、デイビッド・クルサードについても、契約は2006年までで、1年後には別のチームへ移籍できる。ベテランのジャック・ビルヌーブもまた、BMWと1年契約しか交わしておらず、来シーズン終了後には別のチームを探すことになるかもしれない。
ホーナーはイギリスの新聞、ガーディアン紙のインタビューに答えて次のように語った。
「アロンソの移籍は、特にタイミングの面からして、とても興味深いものだった。F1のドライバーマーケットは、この1年で最近にはなかったような動きが出てくるだろう。どのような動きが現われるのか、とても楽しみだ」
アロンソがマクラーレンへ移籍するとき、多くのベテランドライバーがチームとの契約が切れるため、シート探しが盛んになるだろうが、その一方で、新たな才能がF1に入ってくることも考えられる。先のコバライネンは別にして、彼のGP2でのライバルであるニコ・ロスベルグはすでに、ウイリアムズのシートを獲得している。また、ロバート・クビカ、ゲイリー・パフェット、アンソニー・デイビッドソンらも、数シーズンのうちに、F1レギュラーシートを狙っているようだ。
クルサードは次のようにコメントしている。
「F1とは競争をビジネスとするものだ。マクラーレンにはわかっているようにね。すべては、長期的な計画を立てて投資を行い、将来の成功に寄与するためにある。その点で、F1は他のどのビジネスやスポーツとも異なる。だから、マクラーレンがアロンソを加入させたからといって、僕はびっくりしなかったよ」