ミナルディのバレルンガテストにて、ロバート・ドーンボスはクラッシュネットの取材に対し、来シーズンの契約に関する交渉が、まだ詳細の多くは語れないとしながらも、‘完了間近’であることを明らかにした。
ドーンボスはF1初テストとなるルーキーたちを指導する役割を務め、またミナルディの2シーターマシンに乗りスポンサーやゲストたちを盛り上げた。彼は新たな契約関係の開始を待ちきれない思いでいるようだ。
「(来シーズンの身の振り方について)僕なりの考えがあり、ぜひ話したいのだが、まだ詳しいことは公言できないんだ」と説明するドーンボス。「ほぼ完了しているし、僕としてはすぐにでもマシンに飛び乗って感触を試せたらと願っている。これは自分のキャリアにおける投資であり、僕はまだ若いのでもしこれがうまくいけば最高だと思う。自分でもF1でいいキャリアを積める気がするんだ」
「(発表は)クリスマス前になると思う。去年の僕のクリスマスはストレスだらけだったので、今年こそもう少しリラックスしたいね。もう少し待つしかないよ……」
この契約が‘彼の将来への投資’だというドーンボスのコメントから判断すると、もし彼が来シーズンのF1に残るとすれば、レースドライバーではなくテストドライバーとしてであると見られる。ウイリアムズとBMWは2006年のサードドライバーの席が空いており、ドーンボスと同じオランダ人ドライバーのクリスチャン・アルバースはウイリアムズの候補としてウワサされていた。しかしアルバースの方は、既にミッドランドF1と契約を結んでいる。
2006年にチーム・トロ・ロッソ(元ミナルディ)にドーンボスが残留する可能性は非常に低そうだ。レッドブルは、レッドブルとチーム・トロ・ロッソの4つのシートを抱え、いずれかのテストドライバーにニール・ジャニを起用するものと見られている。レッドブル傘下でなければ、もしチームが6人目のチームメンバーを必要としてもドーンボスは考慮される見込みがない。
とはいえ、ドーンボスは、ミナルディの最後のシーズンに、7月のドイツGPでF1レースデビューを飾り、メンバーとなったことに喜んでいる。
「ホッケンハイムでチャンスがきたのは嬉しい驚きだった。車の速さにも驚いた。なぜなら、かつてミナルディがグリッド上で他と比べてかなり遅かったことは誰もが知ってるほどだからね。僕はジョーダンでテストをしていて、ミナルディに移ったら、PS05ならジョーダンのスピードとやり合えるとすぐに分かった。車のテストすらしていなかったのに分かったんだ」
「僕が走った8つのグランプリの間に開発をしていったよ。車には週末のたびに新しいパーツが付けられ、タイムも上がっていった。ジョーダンの2台とグランプリ中に“ミニ・グランプリ”をやって僕らは久しぶりにプッシュできた。チームの誰にとっても意欲を高めるという意味でいいことだったと思うし、僕自身にとっても大いに張合いになった。ミッドランドの元チームメイトたちを負かし始められて、またミナルディの新しいチームメイトとの戦いを始められたのは良かった」
逆の報道記事もあるものの、ドーンボスはミナルディ・チームでアルバースと一緒に働けたことも嬉しかったと話している。
「あそこで僕らは、ひとつのチームに二人のオランダ人ドライバーがいるという、ちょっとした歴史を作れたと思う。僕はオランダに住んではいないが、これは良かったかもしれない。最初は少々混乱していたが、ヨス・フェルスタッペンがいた時のように、オランダ人ファンが大勢だとどうなるのか各レースで気をつけていたところ、彼らは本当に熱狂的だった。僕はミナルディ・ドライバーになったことをとても誇りに思うし、もちろんたくさんのいいドライバーたちがこのチームでデビューを飾っていることも誇りだった」