イギリスの女性ドライバー、キャサリン・レッグのバレルンガ・サーキットでのF1初体験は、自身のスピンで予定よりも早く切り上げられることになったが、それでも彼女自身の気分は上々のようだ。
ミナルディPS05のステアリングを握った彼女は、トラクションコントロールの操作を誤ってコースオフ。マシンのフロント部分に負ったダメージは軽いものだったが、すでに日は傾き、気温も下がっていたため、彼女の本格的なテストは水曜日に延期されることが決まった。
1992年のジョバンナ・アマティ以来、久々にF1マシンをテストした女性ドライバーとなったレッグは、それでも決して気落ちしてはいない。むしろ過ぎたことはすべて忘れて、翌日のテスト再開を楽しみにしているようだ。
「それほど落ち込んではいない。むしろ明日が楽しみで興奮しているくらい」と、彼女はイギリス クラッシュネットに対して語った。「こういうのも苦労しながら学んでいかなければならないことのひとつだと思う。たぶん、トラクションコントロールについて、もう少しよく勉強しておくべきだったってことね!」
「私がトラクションコントロールを切ってしまって、まったく作動しない状態になっていた。知らずにやってしまったことだけど、もうこれでよーくわかった。これも学んでいかなければならないことのひとつだけど、初めてF1に乗るときには新しい経験がたくさんあるものだから、どうしても気持ちに余裕がなくなるのよ」
「明日は1日のうちで一番暖かい時間帯に走れる予定。できれば午前中に少し周回を重ねて、午後になって気温が上がったところでタイムを出しに行ってみたいと思ってる」
4日間のテストセッションの2日目となったこの日、メディアの注目の的はやはりレッグ。そのおかげでレギュラーテストドライバーのシャノック・ニッサニーや、レッグと同様にF1初体験のファン・カセレスとダビデ・リゴンは、大勢のプレスに囲まれることもなく平穏にテストを行うことができた。水曜日には彼女ももう少し落ち着いた環境で走りたいという。
「目の前にざっと30台もカメラがあると、さすがに集中するのが難しくなるわ。でも、パブリシティは私にとっていいことだし、ポール・ストッダート、ミナルディ、そして(スポンサーの)オージージェットにとってもいいことよ。まあ、できれば明日はもう少し静かな環境でやれるといいんだけど」
テスト3日目となる23日(水)、レッグはチームのテストプログラムを継続するニッサニーと共にコースに出る予定だ。