ルノーのマネージングディレクター、フラビオ・ブリアトーレは、自分たちが日本GPで優勝できたはずだし、優勝していたはずだと主張している。しかし、レース終盤にジャンカルロ・フィジケラがキミ・ライコネンに抜かれたことを責めるのではなく、スチュワードの裁定ミスのせいでフェルナンド・アロンソの優勝のチャンスが奪われたといって激しく非難している。
アロンソは、オープニングラップですでに8人のライバルを追い越しており、セーフティカーがピットに戻った後、クリスチャン・クリエンにオーバーテイクを仕掛けて7位のポジションを得たかに思われた。しかし、その際にシケインをカットしたことでペナルティを恐れたアロンソは、脇によってクリエンを前に行かせた。これでペナルティが下される心配がなくなり、アロンソは1コーナーへの進入でレッドブルのマシンを簡単に刺し、最低限のタイムロスで7位のポジションを取り返した。
しかしスチュワードたちは、アロンソがクリエンを前に行かせたのを見ていなかったか、あるいはそれがシケインカットをつぐなうのに十分ではないと見なしたのか、ルノーにもう一度指示を出すようにと命じた。その後アロンソはクリエンを先に行かせ、まもなく3回目のパスをしたが、トップグループと後方のグループの双方に対して、貴重な地歩を失うことになった。
「このレースの鍵となった瞬間は、終盤ではなく、第1スティントでフェルナンドがクリエンにポジションを譲るように命じられた時だったと思う」とブリアトーレはレース後に激怒していた。「その理由が理解できない。彼はすでに一度譲っていたんだからね。しかしFIAはもう一度するように命じたんだ」。
「おかげで彼は9秒をロスしてしまい、レースの残りの時間、ひどいトラフィックに捕まることになってしまった。あの遅れがなければ、彼は2度目のストップの後でライコネンの前に立てたかもしれないし、結果も違ってきたかもしれないんだ」
アロンソも、ミハエル・シューマッハーのフェラーリを追い越そうと狙っていたときに、また後ろに下がるように指示されて、やはり困惑した。
「理解できなかったよ」とアロンソ。「(クリエンを)追い越すときにシケインをミスしてしまったから、スローダウンして彼がもう一度僕を追い越すようにしたんだ。そして彼を前に行かせた後、メインストレートでもう一度、彼を抜いたんだよ。3周後、僕は彼より7秒先に行っていたのに、チームとFIAが僕にスローダウンして彼を前に行かせるようにと言ってきた。僕は事実上止まったような感じで、7秒待ってクリエンを前へ行かせた。このことではちょっと驚いたけど、どうしようもなかったよ」
ブリアトーレは、期待の高かったイベントからいくらか慰めを得ようとしていたのだが、チームは結局、失望のまま終わることになった。
「私たちはポジティブな面を見なくてはならない。残りあと1戦でコンストラクターズ選手権をまたリードすることになったわけだし、中国ではエンジンが新たにアップグレードされる。まだすべてはこれからだ」