日本GP決勝は手に汗握る展開となった。ワールドチャンピオン・タイトルを7回獲得しているミハエル・シューマッハ(フェラーリ)はグリッド14番手からスタートし、持てる技術を駆使して7位に入賞した。ブリヂストンを装着するシューマッハは、選手権ランキング上位のドライバーたちの果敢な攻めに終始耐え続けたが、2回目のピットストップで必要になったマシンの調整が予定よりも長引いたこともあり、7位でゴールした。今回、シューマッハが2ポイントを獲得したことにより、フェラーリ・チームの2005年度コンストラクターズ・ランキング3位が確定した。また、シューマッハと同ポイントでドライバーズ・ランキング3位の座を争っていたファン・パブロ・モントーヤ(マクラーレン)がレース序盤でリタイヤしたため、シューマッハがドライバーズ・ランキングで単独3位に立った。ルーベンス・バリチェロ(フェラーリ)は1周目に他のマシンと接触してコースアウトし、左リアタイヤを交換したため、12位でレースを終えた。その他のブリヂストン勢では、ジョーダンのティアゴ・モンテイロがチームメイトのナライン・カーティケヤン、ミナルディのロバート・ドーンボス、クリスチャン・アルバースよりも上位でゴールした。
菅沼寿夫/ブリヂストン・モータスポーツ・テクニカル・マネージャー:
「今日の母国GPで勝てなかったことはとても残念だ。ルーベンスは1周目に他のマシンと接触して順位を落とし、その後の挽回が困難になってしまった。ミハエルは良いスタートを切ってずっと上位を走っていた。彼がガソリンを多く搭載していたことを考えれば、ラップタイムには大変満足できる。また今日午後の比較的暑い状況の中でラップタイムが安定していたこともうれしかった。残念ながら今日のレースはミハエルにとって守りの展開になり、またピットストップで順位を落としたため、7位に入賞することが精一杯だった。しかし、今日のレースでは多くのオーバーテイクや攻防が見られ、見応えのある展開となった。中国GPも素晴らしいレースになるよう願っている。」
ロス・ブラウン/スクーデリア・フェラーリ・マールボロ テクニカル・ディレクター:
「ルーベンスは序盤の混乱に巻き込まれ、その後のレース展開が難しいものになった。一方ミハエルは素晴らしいスタートで前に飛び出し、作戦もよかった。ペースがレース中盤で若干落ち、20周目以降守りのレースをせざるを得なかった。2回目のピットストップで順位を落としたことは残念だが、マシンの調整が必要だったため、時間がかかり、順位を1つ下げてしまった。上位で終わることはできなかったが、全員が良い仕事をしたと思う。」